飲み会が多くて困っている
職場の人間関係に気を遣うのが疲れた
グループ間の対立に巻き込まれたくない
こうした悩みがある人は職場の人間関係を割り切ることを考えてください。
この記事で紹介するコツを意識することで人間関係をスッキリしたものにできます。
社会人になって25年たつ僕も会社ではスッキリ割り切った人間関係を意識してきました。
おかげで仕事に集中できるうえ早く帰って子どもたちと大切な時間を過ごすことができています
多くの人はやさしく、職場の人付き合いを大切にしているはず。もちろんスムーズに仕事を進めるには人間関係は大切です。
とはいえ過剰な付き合いを続けると、不毛な争いに巻き込まれたり、抱え込まなくていいストレスを抱えたり、仕事が遅くなったりとデメリットに悩まされます。
この記事では人間関係を割り切るメリットとデメリット、そして割り切るコツを解説します。自分の時間を大切に使うためにもぜひ参考にしてスムーズに仕事を終わらせてください。
職場の悩みはすべて人間関係に通じる
フロイトやユングと並び称される「心理学の巨頭」アルフレッド・アドラーは、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言しました。
職場でいえば、クレームやパワハラ、セクハラは当然人間関係上の悩みですが、「営業成績が上がらない」「残業が多い」といった悩みも根底にあるのは確かに人間関係です。
営業成績の悩みは、同期や後輩と比較されたり、上司からの評価が下がったり、対人関係が背景にあります。
残業が多いという悩みも、仕事を投げ出して帰ってしまうと残された同僚が困る、といったようにやはり人間関係が影響しますよね。
つまり、人間関係が一切なくなればあらゆる悩みが消えることを意味するのですが、人が生きていく上で人間関係を一切断つことはできません。働く以上、人間関係の悩みはついて回ります。
であれば人間関係は割り切って考えるしかありません。
- 会社は仕事をするところ
- 人と会って働くのは生活をしていくため
- 職場は人と仲良くするために集まる場所ではない
いま人間関係がうまくいっていなくても、こうした考えを持つことが心穏やかに働くために必要です。
職場の人間関係を割り切るメリット
職場の人間関係を割り切ると、抱えなくていいストレスをなくしたり、ムダにへこむことが減ったり、仕事に集中できたりと働く上で大きなメリットがあります。
ストレスを減らせる
厚生労働省のサイト「みんなのメンタルヘルス」には以下のようにストレスが定義されています。
ストレスの原因
そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。
厚労省:みんなのメンタルヘルスより
「外部からの刺激を受けたときに生じる緊張状態」をストレスというのであれば、人間関係を割り切って考えることで対策がとれます。
人と接する時間を減らし、外部からの刺激を断ち切ることで、受けなくてもいい緊張状態を減らせるということです。
ムダに落ち込むことが減る
人間関係で落ち込むことは多いですよね。仕事中、上司からの注意や社内外からクレームがあったとき、気になって仕事に集中できなくなることがあります。
時間がたてば頭の中から消えていくことが多いので、集中できなかった時間ははっきりいってムダな時間です。
今後に生きる注意や指摘であればまだいいですが、まったくの言いがかりやただの言い争いでもやもやして過ごす時間が押し付けられるのであれば、人間関係を割り切って考えることは大切なライフハックになります。
プライベートが充実する
人間関係を割り切ってストレスを減らしたり、ムダに落ち込むのを避けたりすることで仕事に集中する時間が増えます。
作業効率が上がれば残業を避けることができるので、定時で早く帰れる。そしてプライベートを充実させてまた仕事に励む好循環が期待できますよね。
また、人間関係を割り切ると、飲み会の誘いも減ります。飲み会は楽しく人脈を築ける場にもなり得ますが、職場のグチを言い合ったり上司の悪口を言ったりするばかりの不毛な飲み会は避けたいところです。
仕事の成果が上がる
人間関係で頭を悩ますことが減れば、仕事の成果が上がります。
トラブルに巻き込まれたり、問題の渦中にいたりすると、仕事に集中できません。生産性が落ちて評価にも響くでしょう。
夜や休日の付き合いも減るので副業で生活力を上げたりいつでも転職できるスキルを磨くこともできます。
職場の人間関係を割り切るデメリット
職場の人間関係を割り切ることにはデメリットもあります。これは僕自身も経験してきたことですのでどれも実感がこもっています(笑)
社内情報に疎くなる
職場の人間関係を割り切ると人付き合いが薄くなります。すると人事や派閥間のいざこざなど会社内の情報が入ってきません。いわゆる社内情報の過疎状態になるのです。
ただ、会社内の情報がそこまで必要かというとそうではない場合が多いです。
是が非でも出世したいと考えているなら、社内のだれとだれがつながっているといった人間関係を知ったり、自分の会社の経営情報にアンテナを張ったりする必要があります。
しかし、結局は会社内の話題はうわさ話レベルが多いもの。仕事に差し障りがなければ気にする必要はありません。
評価に影響する可能性
職場の人間関係を割り切っていると、人事評価に影響する恐れがあります。「評価は客観的に」といくら言っても、結局人間が行うのですから完全に公平ということはありません。
好き嫌いで評価が割れる可能性があり、好き嫌いは付き合いの良し悪しで印象が変わり得ます。
評価に影響しなくても、人事異動に響くかもしれません。仕事のできるできないはもちろん重要ですが、同じ能力がある2人が候補に上っているとしたら、職場のトップは話しやすく、付き合いやすい部下を近くに置きたくなるものです。
寂しくなることもある
職場の人間関係を割り切って飲み会などの誘いを断り続けていると、いずれ誘われなくなります。
この状態は好ましい状態なのですが、もしかすると寂しいと感じる人がいるかもしれません。
ですが、たとえば飲み会で先輩の自慢話や説教を聞かされたり、同僚間でグチを言い合ったりする場に何時間もいるよりは、家に帰って家族と過ごす方が人生豊かになります。
浮いた時間とお金は、本を読んだり、副業に使ったりして自分の未来につながる投資をする方が建設的ですよね。
職場の人間関係を割り切るコツ
職場の人間関係を割り切ることで、ムダなストレスを減らせたり、家族と一緒に過ごす時間を大切にできたり、生産性が上がる効果があります。
とはいえ人間関係は大切だと考えてしまってうまく距離をとれない。こう考えてしまう場合の対処法を解説します。
仕事は生活のためと考える
なんのために仕事をするのか。その目的を定めておけば人間関係をスッキリ割り切ることができます。
- お金を稼ぐため
- スキルを磨くため
- 経験を積むため
- 社会とつながるため
- 社会人なら当然だから
上記のように、人によってあるいはそのときの状況によって理由はいろいろ考えられます。
ですが、人間関係を割り切ると決めたのであれば、仕事は「生活のため」「経験を積むため」「スキルを上げるため」など、自分の目的を果たすための手段と考えることです。
人付き合いをするために働く人もいるでしょうが、そうでないなら自分の時間を大切にしたいですよね。
特定の人と親しくし過ぎない
職場の人間関係を割り切るためには、特定の人と親しくし過ぎないことも大切です。
なぜなら、単に好き嫌いで付き合う濃さを決めていると思われる可能性があるからです。
自分では職場の人間関係は割り切ってプライベートを充実させようと考えていても、ある同僚とだけは会話に時間を割いたり、食事に行ったりしていると、「人を見て対応を決めている」と思われます。
その状態にはメリットがありません。気の合う人だけと過剰に親しくしていると、他の人から嫌われる要因になります。仕事をスムーズに進めるのが難しくなるかもしれません。
人付き合いを割り切るのと、人から嫌われるのとはまったく違います。
普段から程よい距離感を意識する
はじめて職場に異動してきたころは、仕事をスムーズに進めるため、同僚となじむ努力が必要です。
最初のうちは積極的に会話をしたり、場合によっては飲み会に誘われたら積極的に参加したりするのもひとつの手です。
しかし、その状態を長く続けていると今度は断りにくくなる問題が生じます。
断るのにもストレスがかかりますよね。まったく気にせず断れる強いハートを持っている人もいるでしょうが、大抵の場合は「申し訳ないな」と思いながら断るはずです。
宴席の誘いがあったら家族との予定があるとか友人と約束してるとか理由をつけてやんわり断わるなど、普段から程よい距離感を意識することが必要です。
不快な話は聞き流す
職場にはどうしても合わない人がいるものです。
高圧的であったり、嫌味を言ってきたりする人はどこにでもいますよね。
そういう人の話をまともに受け止めていると心が疲れます。心が疲れると職場の人間関係を割り切ろうにも割り切れませんよね。「右から左へ受け流す」。この感覚が大切です。
自己肯定感を高める
自分のことを認める気持ちを自己肯定感といいます。
自己肯定感が一定程度ある人は職場の人間関係などかんたんに割り切れるでしょう。なぜなら他人の言動や評価が気にならなくなるからです。
僕はダメな人間だ
わたしは何もできない
こうした自己肯定感の低さに心当たりがある人は、自分に課しているハードルを下げましょう。
- 日記を1週間書き続けられた
- 家計簿をアプリでつけ始めた
- 本を毎月1冊は読めている
- つみたてNISAを始められた
かんたんなことでいいのです。何かできたらハードルを少しずつ上げていきます。簡単なことでもできたら自分をほめる。その積み重ねが将来の成長を招きます。自分のことは何より大切にしましょう
プライベートを充実させる
会社の人間関係を割り切っていると、寂しさを感じることがあるかもしれません。そうならないためにも、プライベートを充実させましょう。
- 子どもたちとたくさん遊ぶ
- 友人と会話する
- 副業ブログを書く
- Twitterで毎日発信する
- 体を鍛える
会社のほかに居場所があり、やるべきことがある。その環境をつくりだせれば、人間関係を割り切ることはたやすくなります。
人間関係が割り切れない場合は異動・転職を検討する
「どうしても合わない人に皮肉を言われ続けて辛い」
「高圧的な先輩とのやり取り苦痛」
人間関係を割り切りたいのにうまくできない。そんな場合は環境を変えることを考えてください。
異動希望を出す
職場環境を変えるのに手っ取り早いのは部署を変えてもらうことです。
どうしても職場の人間関係が苦痛だけど退職するのは避けたいなら異動希望を出しましょう。
真摯に仕事に取り組んでいれば希望はかないやすくなります。場合によっては転勤という方法もありますよね。
新たな職場に慣れるためのストレスと今の職場を続けるストレス。どちらがよりましなのかを比較してみましょう。
今の人手不足の状況で、部下の退職を恐れる職場のトップは多いです。辞められるくらいなら異動希望をかなえてほかの人を迎える方がいい。そんな思考になっている会社は増えています。
転職を検討する
どうしても人間関係が改善しない場合、「もう疲れた」と思った場合、異動などで環境を変えられない場合は転職を検討してみてください。
今の転職活動は支援サービスが充実しています。働きながらでも転職エージェントに登録すれば、自分の経歴やスキルをムダにせず次の会社で生かすことも可能です。
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人間関係を割り切る方法:まとめ「嫌われる勇気」を持とう
人間関係について悩んだらダイヤモンド社から出版されている「嫌われる勇気」(岸見 一郎、古賀 史健著)がとても参考になります。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言するアドラー心理学の考え方がやさしく学べる一冊です。
なぜ人間関係について悩むのか。それは自分の承認欲求を満たしたいからではないでしょうか。他人があなたを承認するかどうかはその人の考え方次第。自分ではコントロールしにくいですよね。
そこにあれこれ悩むより、自分が変わるのが手っ取り早いと思いませんか。職場の人間関係で悩むより、自分から環境を変えていきましょう。