うちの会社は残業が多すぎる。仕事を素早くこなす方法はないか
仕事が忙しくて自己投資や家族との時間が全くない。何とか時間を生み出したい
「神・時間術」を読んで解決へ進みましょう
仕事で自分の時間がまったくない。これは日本のサラリーマンの多くが抱える悩みではないでしょうか。僕も銀行に勤めていたとき、まったく同じことを感じ、結局、転職して無理やり解決しました。
今回紹介する精神科医の樺沢紫苑さんが書いた「神・時間術」を読めば、時間の効率的な活用方法が見つかります。
樺沢さんは、毎日午前中に執筆活動を行って、1年で本を3冊出版。メルマガやYouTube、Facebook、ブログを毎日更新。そして月間20冊以上の読書時間を確保しているのです。
本当にそんなことができるのか……。にわかには信じられませんが、こうした生活を7年続ける樺沢さんは、毎日7時間以上寝ているとのこと。いや、ほんとなの樺沢さん? と思いますよね。
樺沢さんに言わせると「時間の使い方で、人生がすべて決まる」。自ら変わることで時間を生み出し、人生を変えることができるなら、試さない手はありません。
会社や組織の雰囲気が早帰りを許さない、というのは論外ですが、仕事が済めば早く帰れる環境だったら、まずは樺沢さんの方法を試してみてはどうでしょう。
この記事では、仕事を素早くこなすためのポイントや考え方を「神・時間術」を元に考えます。
時間の使い方を学んで、早く帰って自分の時間を楽しみましょう!
書籍名 | 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術 |
著者 | 樺沢紫苑 |
発行元 | 大和書房 |
発行日 | 2017年4月13日 |
ページ数 | 244ページ |
「神・時間術」の概要
2000年ごろまで精神科医として病院に勤め、ほぼ毎日残業で約14時間勤務という、多忙なサラリーマンのような暮らしをしていた著者の樺沢さん。
終電間際の帰宅が当然という日常を続けた結果、ストレスで片方の耳がほとんど聞こえなくなるという病気になったこともあるそうです。
そんな生活から抜け出そうと、樺沢さんが工夫を重ねた結果が本書「神・時間術」に集約されています。
毎日遅くまで働いているのに次の日も、また次の日も早く帰ることがかなわない。メールチェックや書類の作成、社内外との各種調整……。
ひとつひとつの作業をいかに効率化し、作業時間を削るのか。残業を減らすにはとても大切なポイントですよね。
本書で時間術を学んで効率的な仕事を心がけてみましょう
序章を含めて7章構成。序章では時間術を使いこなすための原則を発信し、第1章で集中力を高める方法を、第2章で脳が最大限に能力を発揮する朝の時間の使い方を解説しています。
第3章では気分転換を図る考え方、第4章で夜時間の活用方法に振れるといった流れです。
第5章は時間を生み出す仕事術の紹介や考え方を、第6章で自由時間を生かす自己投資の方法なども解説していますよ。
「神・時間術」の著者、樺沢紫苑さんは精神科医の作家
「神・時間術」著者である樺沢紫苑さんは、医者を続けながら執筆活動を続ける作家です。精神科医としての知見を元に、心理学や脳科学などの情報をFacebookやメルマガ、Twitter、YouTubeといった媒体をフル活用して発信しています。
月間20冊以上を読み続けるたいへんな読書家でもあり、「読んだら忘れらない読書術」(サンマーク出版)は、年間ビジネス書ランキングで第10位に入っています。
読書などで得た(インプットした)情報を、文章や会話で発信する(アウトプットする)ことの重要性を説いた「学びを結果に変える アウトプット大全」の著者としても知られてます
残業をやめるため「神・時間術」のポイント3選
集中力を活かす「15・45・90」の法則
樺沢さんによると、人がとても深い集中力を続けられる時間はせいぜい「15分」。この15分を最小単位に考えるのが、仕事を効率的にこなす大きなポイントになります。
そして集中力の持続時間は45分とのことです。これは小学校の授業時間の単位ですね。子供たちの集中力が続くと考えられている時間。
深い集中力が期待できる15分をワンセットととらえ、15分×3=45分ととらえて1コマ3セット構成という考えですね。
さらに、大学の講義やセミナーなどで使われるのが90分。45分の2倍です。人間の脳波を調べると、90分周期で覚醒の度合いが変化するのだそうです。
「15・45・90」の法則はあくまで樺沢さんが立てた仮説。しかし、仕事を効率的にこなすには、意識するとよい考え方になりえます。
たとえば企画書や提案書といった文章を書く場合。45分書きまくったら、いったん休憩を入れる。そして頭をフレッシュな状態にしてまた45分ひたすら書くといった具合です。
45分あれば少なくとも400字はしっかりした文章が書けるはず。そのあたりでいったん立ち止まって読み返したり、あるいは調子がでていればそのまま次の45分書き続けるなど応用しながら書いてみてはどうでしょう。
自分で締め切りを決める「制限時間仕事術」
制限時間を自分で決めて仕事をするというのも、「15・45・90」の法則のように集中力を最大限に発揮する樺沢さんの時間術です。
人は追い込まれると脳内で「ノルアドレナリン」が分泌されます。そしてノルアドレナリンは脳を研ぎ澄ます効果がある。そう、火事場のバカ力が発揮されるのです。
この現象を応用し、自ら制限時間を決めて作業効率をアップさせるというわけです。
「15・45・90」の法則と組み合わせると一層効果的になります。「メールチェックは15分で終わらせる」「会議資料は45分で終わらせる」という具合ですね。
ちなみに僕はメディアで文章を書く仕事をしていますが、締め切り時間に追われるのがとても苦手。仕事で決められた締め切りギリギリになることは絶対に避けます。
その代わり、自分で原稿を仕上げる時間を設定して、それを締め切りとしてノルアドレナリンを分泌しています!
「脳のゴールデンタイム」は絶対活用しよう
ポイントの3つ目は、朝の時間の活用です。これは朝活として注目されており、実際に取り入れている方は多いと思います。
僕も5時台に起きるようになってから、作業効率が増したことを実感しています。なんといっても時間を有効活用している充実感にあふれ、毎日が楽しくなりますよね。
実際、起床後2時間は1日の中で最も集中力が高い「脳のゴールデンターム」だというのは実証されていること。本書内でも詳しく紹介されていますよ。
文章を書く、語学を学ぶ、難解な書籍を読むといったきわめて高い集中力が必要な作業をする時間に適していますね。「スタンドバイミー」などで知られるベストセラー作家のスティーブンキングも、午前中は執筆、午後は昼寝と手紙、夜は読書と家族団らんだと言っています。
午前中をすべて自分の時間に使うのは会社員には難しいですが、朝活に作業を集中させることはできますよね
仕事に限らず、朝の2時間を自分自身の自己投資につなげることで、スキルアップにつなげ、より良い会社に転職するチャンスにもなり得ます。
まとめ 時間術で余裕を生み出そう
仕事や運動、趣味の時間に家族とのひととき。現代人はとても忙しい。加えて今はSNSも隆盛を極めています。
この記事ではさわりしか紹介していませんが、「神・時間術」に書かれている時間の使い方は誰もが活用できる有効な方法です。ぜひ一読の上、時間のゆとりを生み出してください。
中には、素早く仕事をこなしても次々と仕事が降ってきたり、周囲の雰囲気が早帰りを許さなかったりといった職場があるかもしれません。
実際、かつて銀行に勤めていた僕も同じ状況になりました。その場合、自分が動いて周囲の意識を変える方法や、転職で居場所を変えて再出発する方法などいろんな考え方があります。
多様な人生を考える時間を生み出すのも時間術のメリット。「神・時間術」を使って働き方を変え、余裕を生み出し、趣味や家族との時間を確保して人生を楽しんでいきましょう。