月80時間の残業はきついし危険!過労死ライン超えの違法ブラック企業に残るか転職か

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月80時間の残業はきついし危険!過労死ライン超えの違法ブラック企業に残るか転職か

長時間労働は当たり前? 月80時間の残業は普通なの?

月80時間が過労死ラインと聞いたけどほんとなの?

こんな疑問にお答えします!

結論、月80時間も残業をさせている会社は違法と判断される可能性があります。

労働基準法で上限とされている労働時間は、1日8時間、週40時間まで。

一定の条件下で合法的に8時間を超える時間外労働をさせてよいことになっているのですが、それでも残業は月平均80時間以内と決められているからです。

会社が違法性を問われないとしても、80時間を超えて働くとさまざまな危険が待っています。寝不足につながり心身とも疲れがたまりやすく、家族との時間も失われます。仕事の効率も著しく低下しますよね。

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月の残業80時間は最悪、過労死に至る危険もあるブラック労働です

この記事では、残業80時間に対する労基法上のとらえ方や過労死ラインの考え方についてみていきます。そこまで働いた場合、残業代がいったいどれほどもらえるのかも解説します。

過労死にもつながる働き方を改善するにはどうするか。最終的には転職の道を選ぶ人が多くなるかもしれませんが、その転職先の探し方についても解説しますね。

無理な労働を強いる会社のために自分の大切な時間や命を削るのはもったいないとしか言えません。会社はいざというときは守ってくれないものです。家族と自分を守るには自分が動き出すしかない。

この記事で80時間残業労働の危険性を確認し、より良い環境に向かうための参考にしてください!

目次

残業80時間は異常なの?労働基準法違反なの?

まず、認識していただきたいのは、1カ月の残業が80時間に上るのは異常だということです。労働基準法違反となる可能性があります。その理由から解説していきます。

残業80時間が原則違法となる理由

残業80時間が違法になる可能性があるのは、労働基準法で残業(時間外労働)には「月平均80時間以内」などの上限が決められているからです。

ただ、その上限にはさまざまなただし書きがつきます。

まずは、労働基準法で上限とされている基本の労働時間(1日8時間、週40時間まで)を超えて残業が認められる場合をみていきます。

残業が認められる場合

①従業員側と会社側で時間外労働について決めごとをした上で、
②所轄の労働基準監督署⻑に届け出た場合

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①は労働基準法第36条に基づく労使協定のことを指すため、「36(サブロク)協定」と呼ばれています

そして、残業時間には以下の原則的な上限が設けられています。

残業の上限は原則月45時間、年360時間

つまり、36協定を結んでいないのに残業をさせているとか、協定は結んでいても届けていないといった場合は違法です。もちろん、残業時間上限を超えても違法です。

残業が違法になるケース

残業80時間が違法にはならない例外

月80時間の残業は45時間の上限を超えています。ただし、「臨時的な特別の事情」があって「労使が合意する場合(特別条項)」はこの上限を超えることができるのです。

その場合の上限は以下の通りです。

臨時的な特別の事情がある場合の残業時間の上限

年720時間以内
・月100時間未満(休日労働を含む)
・月平均80時間以内(休日労働を含む)
※「2か⽉平均」「3か⽉平均」「4か⽉平均」「5か⽉平均」「6か⽉平均」が全て80時間以内となっていること

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時間外労働が⽉45時間を超えることができるのは、年6か⽉が限度です。これらに違反した場合には、会社側に罰則(6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰⾦)が科される可能性があります

ただ、「臨時的な特別の事情」と言われても、わかりにくいですよね。

厚生労働省が発行する「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」では、以下のように触れられています。

臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合の事由については、できる限り具体的に定めなければなりません。「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」など、恒常的な⻑時間労働を招くおそれがあるものは認められません。
(臨時的に必要がある場合の例)
・予算、決算業務 ・ボーナス商戦に伴う業務の繁忙 ・納期のひっ迫
・⼤規模なクレームへの対応 ・機械のトラブルへの対応

厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf)
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よほど特殊な事情がなければ、臨時的な特別の事情とは言えませんね

実際みんなはどれくらい残業しているのか

月80時間の残業というと、月に20日働くとして1日4時間の時間外労働をしている計算になります。

朝9時から働く人なら1時間の休憩をはさんだとして夜10時までの勤務です。「それくらいなら働いているよ」という方は多いのではないでしょうか。僕もかつてはそんな毎日は過ごしたことがあります。

ただ、厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2021年の労働者の時間外労働(所定外労働時間、パートを除く)の平均は13.2時間でした。

時間外労働が多い産業(毎月勤労統計)

産業時間外労働(時間)
運輸業・郵便業25.3
情報通信業16.2
電気・ガス業15.1
学術研究等15.1

時間外労働が少ない産業(毎月勤労統計)

産業時間外労働(時間)
医療・福祉6.3
生活関連サービス等8.3
複合サービス事業8.9
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思ったより少ない感じです。会社側からの国への届け出がもとになっていますので、僕らの実感より少ないのは当然かもしれません

では、次に民間の調査をみてみます。大手転職エージェントのdodaが調査した2021年4月〜6月の3カ月の平均残業時間は、平均20.8時間となっています。参考URL:https://doda.jp/guide/zangyo/

国の調査よりやや上がりました。職種によって残業時間の量には差がありますが、いずれにしても月80時間は異常ともいえます。

平均残業時間が多い職種(doda調べ)

職種平均残業時間
設計監理/施工監理/コンストラクションマネジメント38.3
プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web /映像関連)32.5
施工管理31.8

平均残業時間が少ない職種(doda調べ)

職種平均残業時間
秘書・受付10.5
医療事務アシスタント10.5
営業事務アシスタント11.1

残業80時間は過労死ライン

パソコンを前に頭を抱える女性

月に80時間残業するというのは、どれくらい異常なことなのでしょうか。意外と「80時間なら経験あるよ」という方は多いと思いますが、心身の状況など環境次第では深刻な事態に陥ることもあり得ます。

まず過労死について。過労死は、過労死等防止対策推進法第2条に以下のように定義されています。

過労死の定義は

  • 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
  • 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡

そして月80時間というのは過労死ラインの目安の一つになっています。

発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月あたりおおむね80時間を超える時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされています

厚生労働省「STOP!過労死」

辛い事態を防ぐには

厚生労働省によると、過労死等に関する労災補償の請求件数は、2020年度で2,835件(前年度比161件減)となっており、支給決定件数は802件(前年度比77件増)でした。

そしてそのうち死亡(自殺未遂を含む)件数は148件(前年度比26件減)です。例年死亡は100件を超えている状況です。

過労死を防ぐ取り組みとして厚生労働省が挙げていることは以下の通りです。

過労死を防ぐ取り組み

  • 長時間労働の削減
  • 職場におけるメンタルヘルス対策の推進
  • 過重労働による健康障害の防止
  • 職場のハラスメントの予防・解決
  • 働き方の見直し
  • 相談体制の整備等

特に重要なのは「長時間労働の削減」です。会社側には、従業員の労働時間を適正に把握する責務があります。

また、時間外と休日労働について定めて労使間で結んだ協定(36協定)の内容を従業員に周知し、週の労働時間が60時間以上の労働者をなくすよう努める必要があるとされています。

働く僕たちも過労死を防ぐことをしっかり認識しないといけません。うつ病になる、あるいは倒れてしまうまで働く人がなくならないのは、誠実に働こうとする人が多いからです。

会社や管理職が、そのような真面目な社員の善意につけこむことはあってはなりませんよね。

雇われの身として働く僕たちは、自分の心身の不調に気付いたとき、早めに周囲に相談するのが大切です。

家族や友人、職場で相談がしにくい状況の場合も、各地の労働基準監督署や総合労働相談コーナー産業保健総合支援センターなど、相談先はたくさんあります。

むりにがまんせずにおかしいと思う場合はすぐに相談することをおすすめします。

残業時間を減らすコツ

残業時間を減らすためにもっとも重要なのは定時退社を徹底することです。

  • 業務の「見える化」
  • 優先順位を見極める
  • 早出などで早く仕事に着手する
  • 早帰りを周囲に宣言する
  • 仕事後の予定を入れてしまう
  • デスクの上を整理する

以上のコツを紹介した記事が本ブログにあります。ぜひ参考にしてください。

とはいえ、自分自身で残業時間をコントロールできない仕事が多いのも事実です。

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会社や上司の考え方ひとつで帰れる時間が変わってしまうこともありますよね

そのような場合でも残業時間を減らすことは可能です。

  • 残業代を会社に請求する
  • 労働基準監督署に相談する
  • 社内窓口に改善を申し出る

ひとつずつ確認していきます。

残業代を会社に請求する

残業代がずっと支払われないサービス残業が続く場合、蓄積された残業代を会社側に請求することを考えてください。

積み重なった額は数十万円あるいは数百万円と高額になっている可能性があります。

もし膨れ上がった残業代が社員から一斉に請求された場合、会社側はどのように対応するでしょうか。

サービス残業を前提にした経営は立ち行かなくなり、社員を増やしたり、外部に委託したりして過重な労働を減らそうとするかもしれません。

異常な労働時間を強いる会社には社員が結束して残業代を請求する方法が有効です。

労働基準監督署に相談する

大量の残業を強いられている場合には、最寄りの労働基準監督署に相談することをおすすめします。

経営者が恐れるのは、労働基準法違反がある会社を調査・指導する権限を持つ労基署の存在です。

実際、令和3年度に長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導では、対象となった事業場の3割で違法な時間外労働が確認されています

指導は残業が月80時間を超えていると考えられる事業場、過労死等で労災請求が行われた事業場を対象としたもの。対象となった32,025事業場のうち、10,986事業場(34.3%)で違法な時間外労働が確認されたとのことでした。

労基署に相談することで、会社側に長時間残業を強いることがないよう指導してもらえる可能性があります。

社内窓口に改善を申し出る

違法性が疑われる残業を改善する別の方法は会社側が用意した窓口を改善する方法です。会社は働く人の健康に配慮する義務があります。

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形ばかりでも窓口がある場合が多いのでまず確認してみましょう

具体的には産業医面談で長時間労働が常態化していることを訴えることが考えられます。

会社は月80時間を超えて残業をした労働者が産業医の指導を受けたい旨申し出た場合、実施する義務があります。そして産業医から意見聴取を行い、適切な事後措置を実施することを求められるのです。

このほか、現場の話を理解できる上司であれば長時間の残業で現場が疲弊していることを直接相談する方法も考えましょう。

上司は労働者の健康上の不調や退職を気にするものです。なぜなら自分の評価に響く可能性があるからです。

残業80時間の危険なブラック企業に残るべきか

退職願いを出す社員

残業代はきちんと払われているか

残業80時間はきつい。でも残業代がしっかり払われていれば問題ないよ

このように考える人もいると思います。きちんと対価が支払われているのかもポイントですよね。

働いた分だけきっちり賃金が支払われているのか。会社任せにしたりせず、自らが確実に把握していきましょう。

80時間の残業代金を計算

労働基準法上の労働時間は1日8時間、週40時間です。会社は36協定を締結し、労基署長に届け出ることで、この労働時間以上に働かせることができます。

この時間外労働をさせる場合に支払う賃金を割増賃金といい、割増賃金は通常の賃金の25%と決められています。

例えば、80時間の残業をするとその月の残業代は以下のようになります。

※土日は休みと想定し、20日間勤務した場合。所定労働時間は1日8時間

※月の給料に家族手当や通勤手当などは含みません

月の給料が20万円の場合

残業代=20万円÷(20日間×8時間)×80時間×125%=125,000円

月の給料が40万円の場合

残業代=40万円÷(20日間×8時間)×80時間×125%=250,000円

以上のように、月に80時間も残業した場合、かなりの残業代が入るはずです。

でも、かつてサービス残業が当たり前の文化だった日本では、まだその名残は大きいかもしれません。自分の残業代はしっかり把握しましょう。

管理職は残業代をもらえない?

「管理職は残業代をもらえない」

こんな話を聞いたことはありませんか。

「管理監督者」は、労働条件を決めたり、従業員の労務管理をしたりすることについて、経営者と一体的な立場にある人を言います。経営者と一体であれば、残業代をもらえないのもやむを得ない面はあります。

異常な労働環境は自分で変えられるでしょ、という理屈から、労働基準法で定められた労働時間や休日などの制限を受けないのです。

ただ、「管理監督者」に該当するかどうかは、役職名ではなく、職務内容や権限などに基づいて実態にあわせて判断されることになっています。

つまり、ファミレスや量販店などで「店長」といった管理職のような職名はついていても、実質は何も権限がないとか、待遇面で一般従業員とそれほど変わらないとしたら、残業手当は当たり前に支払われるべきなのです。

以前から問題になっている「名ばかり管理職」は、企業側が労働者から労働を搾取するための手段だったということでしたよね。

また、仮に「管理監督者」に該当するとしても、労働基準法により保護される労働者に変わりはないのです。時間や休日の規定が適用されないからといって、いくら働かされても文句をいえないわけではありません。

残業80時間が続くなら転職も選択肢

世の中が働き方改革で無理な働かせ方を改善しようとしている今、まだ月80時間を超える残業を放置している企業があるなら、怠慢としか言えません。

自らがやりがいを感じている、あるいは、十分な報酬を得ており不満はない、といった理由がないのであれば、心身に不調をきたす前に環境を変えることを検討することをおすすめします。

月80時間以上の残業が恒常的な企業から転職を考えても、転職先がまたブラック企業だったら元も子もありません。

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ブラック企業への転職を避けるポイントをみていきましょう

まずブラック企業とはどんな企業をいうのか。厚生労働省のサイトから引用してみます。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、

① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す

② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い

③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

などと言われています。

厚生労働省労働条件Q&A=https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html

長時間労働だけではなく、過大なノルマがあったり、賃金が支払われないことがあったり、ハラスメントがあるなど、常識的に考えておかしいと感じたらブラック企業である可能性があるということですね。

転職市場におけるブラック企業の特徴1 常に求人情報がある

常に求人情報がある企業は、人材が定着しないからである可能性があります。

賃金が低い、労働時間が長い、ノルマが高過ぎる、人間関係に問題がある……。さまざまな理由があり、さまざまな理由が重なって労働者が定着しないのかもしれません。

IT業界など常に人手不足で求人が出ている場合がありますので、口コミなどで業界の評判をしっかりリサーチしてから応募するのがいいですよね。

転職市場におけるブラック企業の特徴2 募集条件がゆるい

資格が不要であるとか、未経験者歓迎だとか、いわゆる募集条件が厳しくない求人もブラック企業である可能性は否定できません。

資格がなくてもいい、未経験でもいいとなると、応募する人にとってはありがたい内容です。

とはいえ、それは、言うことを聞いて手や体を動かせる人であればだれでもいいということの裏側でもあるかもしれないのです。

「とにかく言う通りに動け」という考え方は、ブラック企業そのものです。こちらもしっかり口コミサイトなどで情報収集をしたいですね。

転職市場におけるブラック企業の特徴3 みなし残業代制

みなし残業代=固定残業代は、毎月ある程度の残業をしたとして固定の残業代を支払う制度です。企業は人件費の管理をしやすく、従業員は早く仕事を終わらせると得になるので生産性が上がるなどのメリットがあります。

もちろん、みなし残業を導入しても固定分を超えた残業をすれば支払う必要があります。ただ、みなし残業が隠れみのとなり、長時間労働が常態化する恐れもあります。

みなし残業を導入している企業への転職を検討する場合にも、事前リサーチは重要になります。

まとめ:残業80時間はきつい

月80時間の残業は、1日に換算するとだいたい4時間の時間外労働です。これだと日付が変わる前に家につくことができますので、なんとか頑張れるかなと思う人が多いかもしれません。

実際に僕も1日に所定の8時間プラス残業4時間で計12時間労働は頻繁に経験してきましたので、いっときはそのような感情がありました。

でも、正直いって、そこまで働いて心身に不調をきたしては元も子もありません。

そもそも働くのは何のためかと考えたとき、僕は家族と楽しく暮らすためということでした。

そのような考えなら、家族との時間をもてない仕事では意味がないと考えました。

あなたは何のために働いていますか。

その仕事が楽しく、やりがいを感じているなら続けるべきです。ただし、健康には十分気を付けて。

でも、もし、仕事に疑問を感じているなら、転職を検討する道があることを忘れないでください。退職や転職は逃げではなく、自分らしい人生に進む選択肢の一つです。

転職の際に手助けしてくれる転職エージェントは、ほとんどが無料で相談にのってくれます。自分の適性に会った企業を探す支えになるでしょう。

経験やスキルによっては収入を大きく落とさずブラックからホワイト企業への転身だってまったく不可能なことではないのです。ぜひチャレンジしてはどうでしょうか。

以上です。ありがとうございました!

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