【1日12時間労働はキツイ】毎日なら労基法違反は当たり前か(解説)

本ページはプロモーションが含まれています

時間に追われて働く人のイメージ

1日12時間も働いていて毎日眠い

12時間労働って普通なの?異常なの?

こんな悩みや疑問に答えます!

結論から言えば、1日12時間労働をさせる会社は「必ずしも違法ではない」というのが答えです。

労働基準法には1日の労働時間は8時間までと決められています。ただ、決まりごとに例外はつきものです。1週間にどれほど働いているのか。1カ月ではどうか。時間外賃金は支払われているのか。いろんな視点で違法かどうか判断されます。この記事では、どのようなケースが問題なのかを詳しく解説していきます。

ただ、ズバリと言えるのは、1日12時間も働くなんてあなたとあなたの家族の大切な時間が奪われていてもったくないですかということです。 労働は1日8時間が当たり前。そんな常識が通用しないのが、昭和の時代から続く日本の労働環境ですよね。

違法であろうとなかろうと、1日は24時間しかないのに12時間も働いてはいけません。もちろん、ときにはすべてをかけなければならないときもあるでしょう。でもそれがずっと続く環境は考えものですよね。

健康的に6~7時間の睡眠を確保した上で通勤時間も除くとすると、起きているときの自分時間は3〜5時間というところでしょう。

実際には食事や家事、育児といった時間もあるので、下手をすると自分の時間がほとんどゼロという人もいますよね。 12時間労働はおかしい。このマインドを持って行動することがよりよい人生につながることも考えていきたいと思います。

僕は子供の誕生とほぼ同時に残業がない職場に異動し、かけがえのない時間を持てました。固定観念を捨て去り、生活を充実させましょう。 それではよろしくお願いします。

目次

1日12時間労働は労働基準法違反か

原則は1日8時間、1週間40時間が上限(例外あり)

まず労働基準法上、労働時間はどのように定められているのか。厚生労働省のホームページには、労働時間に関して以下のように説明されています。

法定の労働時間、休憩、休日

・使用者は原則として1日8時間、1週間40時間を超えて労働させてはいけない

・使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない

・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない

厚生労働省HP=https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html

上記のように基本は1日8時間です。でもおかしい。大半の人がそれ以上働いたことがありますよね。

8時間を超える時間外労働について定めたのが、「36(サブロク)協定」です。

時間外労働協定(36協定)

労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。

※時間外労働協定は、労働基準法第36条に定めがあることから、一般に「36(サブロク)協定」とも呼ばれています。

厚生労働省HP

つまり、①従業員側と会社側で時間外労働について決めごとをした上で、②行政に届け出た場合、時間外労働が認められるのです。

ただし、時間外労働には以下の上限が設けられています。

時間外労働の上限は原則月45時間、年360時間

すすむ

月45時間なら20日出勤したとすると1日の残業は2時間強となりますね

1日の残業時間に上限はない

月45時間、年360時間という時間外労働の上限は、「臨時的な特別の事情」があれば労使の合意で超えることができます

ただ、その場合でも、下記の条件を超えてはいけません。

  • 年720時間以内
  • 複数の月平均で80時間以内(休日労働を含む)
  • 月100時間未満(休日労働を含む)

これに違反した場合は、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります

以上から分かるように、残念ながら1日の残業には上限は定められていません。

ただ、月80時間の時間外労働があるとすると、20日間はたらくとして1日平均4時間の残業になりますよね。つまり、1日12時間労働が毎日続くと法に触れる可能性が出てくるということです。

休憩時間がなければ違法

36協定を結び、時間外労働の上限時間を守っていたとしても、違法になる場合があります。そのひとつが休憩時間です。

労働時間と休憩時間の関係について、労働基準法では以下のように定められています。

  • 6時間を超える場合は45分以上の休憩を与える
  • 8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与える

たとえば、以下のようなケースはどうでしょうか。

仕事の休憩時間について質問です。1日12時間、多くて15時間半ほど仕事をするのですが、休憩時間が全くないことが度々あります。休憩時間がない日はタイムカードに手書きで責任者が「休憩ナシ」

と書きます。つまり会社側はそれを把握していて、その分の賃金は出ているという事ですが、それって問題ないのでしょうか?

Yahoo!知恵袋=https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10231044700?__ysp=5LyR5oap5pmC6ZaT44CA5rOV

上のような働かせ方は当然違法になります。

残業代が払わなければ違法

時間外労働をしてもその分の賃金が支払われない場合はもちろん違法です。

労働基準法37条で時間外労働について以下のように決められています。

  • 時間外労働をさせる場合には割増賃金の支払が必要
  • 割増賃金は通常の賃金25%増し以上とする

通常1時間当たり1,000円で働くなら、時間外1時間につき、割増賃金を含めて1,250円以上支払う必要があります。つまり、サービス残業は違法です。

ただ、裁量労働制やフレックスタイム制が採用されている会社で働く人が、労使協定で定める範囲内で働いていれば、そもそも法定労働時間の考え方が適用されないので注意が必要です。

1日12時間労働はキツイのか

時間に追われてパソコン作業をするビジネスパーソン

12時間労働は、まあできる

午前8時から12時間労働をするとして、1時間休憩をとるとしたら午後9時に退社することになります。

僕が銀行員で外回りをしていた時は、午前8時に出社して1時間後くらいに外回りに出かけ、10数件の個人宅を回って営業。帰社はだいたい夕方5時ごろでした。その後、顧客リストに営業や会話内容などを記したり、稟議書を書いたりして、夜10時ごろ退社というのがスタンダードでした。

今は早帰りが奨励されていると思いますが、2000年代はそのような働き方の人がけっこういたのではないでしょうか。

また、僕が転職後に就いた経理の仕事では、決算期には午前9時から午後11時などの勤務がざらになります。

銀行の外回りも、転職後の経理の仕事もいずれもそれほど苦ではなく、むしろ仕事が楽しいなんて思ったり思わなかったりしていたんですよ。

僕が感じたことと逆に思う人もいるでしょう。むしろ肉体労働なら12時間は働けるという人もいると思います。感じ方は人それぞれですよね。

12時間労働が毎日なら辛い

僕が辛かったのは、銀行員時代に異動で本社に勤めたとき。

1日中デスクワークで午前8時から午後11時くらいまでの仕事です。さすがに頭がおかしくなりそうでした。しかも毎日でしたので。

そのような12時間労働が毎日続くとしたら。僕は耐えられないです。

辛い労働も、毎日ではないとか、担当が代わるまでの間とか、1年に数回というものだから頑張れますよね。受験勉強だって、受験前だから何時間も机に向かえるのであって、人生生きている限りつづけるなら心が折れそうです。

それにしても東京の満員電車。夜9時、10時でもかなりの人が利用しています。もちろん飲み会帰りで赤ら顔の人もたくさんいますが、働き過ぎて疲れた表情の人も多いですよね。

残業代がきちんと出るのかも重要

いくら12時間労働がきつくても、見合った報酬が得られるなら問題はないという人も多いと思います。

ただ、時間外労働を1日4時間したとして、月に80時間程度の残業時間に見合う割増賃金をきちんと支払わない企業も少なくないのが実態です。

https://twitter.com/run0201_dog/status/1529232605169983488?s=20&t=YcED5f9MORUbiWLQjhRPPg
すすむ

サービス残業は違法です

1日12時間労働を当たり前と思わない

長時間労働を当たり前と思いがち

かつての僕も含めてですが、みなさん1日12時間労働を当たり前のことだと思いがちです。

昔に比べて理解が進んできたとはいえ、長く働くことが美徳という風潮がまだ残っています。自分では思っていなくても、周りの人の行動を見ているとそのように感じますよね。

上司が残っているから帰りにくい。今月は営業成績が良くないので早帰りしにくい。

もちろん、上司は残りたくて残っているわけではないかもしれません。人手不足でプレーイングマネージャーにならざるを得ない事情もあるでしょう。でも、ただ家に帰りたくないという人もいますね。あるいは飲みに行きたくて時間を調整しているだけのこともあります。

どんな理由にせよ、終身雇用が崩れつつある今、長時間労働を当たり前と思っていては時間がもったいない。効率的に仕事をこなす考え方を身につけて、どんどん定時で帰りましょう。

なぜ「当たり前」だと思うのか

毎日の12時間労働という過酷な働き方を当たり前と思ってしまう人は少なくありません。そのような構造になる理由を挙げてみます。

12時間労働を当たり前と思ってしまう理由

1 仕事にやりがいを感じてるから
2 仕事が終わらないから
3 残業代がもらえるから
4 生活のためだから
5 先輩や後輩もやっているから
6 雇ってもらえているから

1のように仕事にやりがいを感じている場合には、心身ともに健康である場合が多いでしょう。2の仕事が終わらない場合には、繁忙期が終わったり、効率的に仕事ができるようになれば時間外労働が減るかもしれません。

中には3のように残業代がほしいという積極的な理由もあるでしょうが、ほかの仕事ならもっと効率的に稼げる可能性があります。

問題は後半です。4の「生活のためだから」は、本当に今の仕事でいいのか考える時間をもちましょう。生活できるレベルの賃金をもらえればいいわけですものね。

5の「先輩や後輩もやっているから」、6の「雇ってもらえているから」という考え方は危険です。自分の仕事が終われば、周囲の仕事の状況にも配慮しながら退社していいのですよ。

社畜だと意識してその心を捨てよう

周囲も残業している。雇ってくれた会社のために仕方がない。

もしこのように考えて、1日12時間の過酷な労働を強いられているのなら、周囲への気遣いや、会社への忠誠心は捨てましょう。

「周りも残業しているから何となく残る」という考えはやめた方がいいです。「定時で帰りにくい」という空気は同調性が強い日本ならでは。だれかがその殻をやぶらなければ、後輩たちが同じようにすごし、一向に改善されませんよね。次世代に良い文化を残しましょう。

会社に対する依存心を捨てることも重要です。会社はいざというときに守ってくれません。長時間労働を放置する会社に問題があるのです。転職や起業など環境を変える手があることも忘れてはなりませんよね。

1日12時間労働はメンタル面で大問題

深夜を示す時計のアップ

1日12時間を超える労働になってくると、プライベート時間が大きく削られます。家事や育児などに追われる人なら、睡眠時間を削らなければ趣味や勉強など自分の時間を確保できません。

疲労を回復し、良い仕事をするには睡眠と休養が絶対に必要です。睡眠不足は健康に大問題を引き起こす恐れがあります。

うつ病になる確率が上がる

長時間労働が睡眠不足を引き起こし、仕事の効率が下がり、長時間労働が続く……。

「長時間労働」「睡眠不足」「仕事の効率低下」

この3点セットがぐるぐる悪循環を招くのです。このままでは心身ともに疲れ、やがてうつ病になりかねませんよ。

実際のデータがあります。イギリスの有名な研究報告に、数千人の公務員を調査した結果があります。労働時間が1日11時間を超えていた人は、7〜8時間の人に比べると、うつ病の発症リスクが5年後をみると2.4倍ほど高かったというのです。

家族との時間がない

プライベート時間がないことも大変大きな問題です。特に家族との時間が失われることは本当にもったいないことです。

僕は一人目の子どもが生まれるまでは長時間労働も厭わない方でしたが、もう少しで35歳というときに第一子の長女が生まれたとき、すぐに残業が少ない部署に異動希望を出しました。

夜勤もあり、社内では主流ではない部署でしたが、8時間を超えて働くことはなくなったのです。おかげで子どもの世話をしたり、公園で遊んだりしてから出社するという幸せな時間を持てました。

子どもはすでに中学生になり手は離れましたが、当時の選択は間違っていなかったと僕の記憶が示してくれています。

成長できない

仕事以外の時間がほとんどなくなるようでは、趣味や勉強に使う時間もありません。
これからは個人の力で稼ぐ時代と言われています。政府も副業を推奨しているくらいです。

兼業・副業やフリーランスなど、新しい働き方を定着させ、リモートワークにより地方創生を推進し、DXを進めることで、分散型居住を可能とする社会を実現します。また、Society 5.0時代に活躍できる人材=技術革新に対応し、新たな価値を創出できる人材を育成します。

首相官邸「新しい働き方の定着」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/portal/new_workstyle/index.html

古い業界では残っている終身雇用や年功序列も、今後は徐々に崩壊していきます。会社に頼らず、自分の力で生活していくには学びが不可欠です。でもその時間すら会社の労働に奪われていては成長もできません。

1日12時間労働が続く場合の対応

12時間労働が続いて「これは違法では」と思った場合は積極的に相談しましょう。

労働基準監督署

行政機関ですから公平に相談にのってもらえます。ただし、以前に比べてブラック労働に対する社会の目が厳しくなっており、労基署の業務も増えています。

ストーカー被害における警察や、児童虐待における児童相談所などのように、対応が遅れたり、細かな証拠を求められることもあります。

そこまで至らない場合の相談窓口として、厚生労働省では「総合労働相談コーナー」(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)も各地に設置されています

労働組合

違法性なく時間外労働ができるということは、労使で36協定を結び、届け出ているということです。

このため、労働者側の代表として労働組合が設置されている場合も多いでしょう。労働組合の発言力がある企業では相談するべきです。

ただ、ありがちなのがいわゆる「御用組合」。組合といえども社員で構成されていれば、経営陣の顔色をうかがいがちというのはよくあることです。

転職する

1日12時間労働が続いて行政や労働組合に相談したけど改善しない。心身ともに疲れ、家族と過ごす時間も持てない。おまけに仕事にやりがいが出てこない。

このような状態で働き続けるようになってしまっては生産性が上がりません。何よりあなたの時間がもったいない

僕は早朝から深夜まで働く銀行員から抜け出そうと転職を決意して、人生が好転しました。

異動希望も通らないし、そもそもどの職場も似たような状況で会社を変えるしかない状態だと感じたら、心が折れる前に転職を積極的に検討してみてください

転職なんて自分には無理と思う人も安心してください。今は転職がまったく珍しくない時代になり、支援サービスが充実しています。

専門のアドバイザーがいる転職エージェントは、登録も利用も基本的に無料です。あなたの経験やスキルや適性を見極めて、最適な業界を紹介してくれますよ。

例えば、株式会社パソナが運営する転職エージェントの「パソナキャリア」は、仕事が忙しい人も利用しやすいように、平日と土曜日は夜間も面談可能です

ちなみに転職エージェントの多くがなぜ利用無料なのかといえば、転職が決まれば、求人先から転職エージェントに報酬が入る仕組みだからです。

すすむ

なので、転職を考える人にとってはメリットしかありません

仮に転職が決まらなくても、自分を見つめ直す貴重な時間になるはずです。転職エージェントについては以下のランキング記事をご参考ください。

まとめ:1日12時間労働をやめて家族と過ごそう

ここまで読んでいただきありがとうございました。

1日12時間労働は、必ずしも違法な働かせ方ではありません。自分自身でも「それほど辛くないよ」という方がいるかもしれませんよね。

でも、それが毎日続くのは心身ともに不安です。それは健康面だけではありません。僕が何より辛いのは、家族との時間がとれないことです。

かつてブラック労働を強いられていたときは、朝こそ妻と早朝に食事をとれますが、帰りが深夜ではグチをこぼしてねるだけ。子どもが生まれた後は時間にゆとりある職場に異動できましたが、変更前の職場だったらと思うと本当に辛くなります。

子どもの成長に寄り添えるのは生まれてから20年足らず。たっぷり一緒の時間を過ごせることが、転職をして一番良かったと思える点です。

長時間労働で疲れている方、時間を会社に吸い取られている方は、ぜひ環境を変えることを意識してください。

今回は以上です。ありがとうございました!

よろしければシェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次