最近残業続きでカラダがキツイ
同期が退職すると聞いて自分も迷い出した
出世は厳しそうだけど、早期退職に応募すべきかどうか迷う
こうした悩みがスッキリする記事を用意しました!
いろいろな理由で今の会社を辞めたいと考えているけど、本当に辞めていいものか。
当然ですが、これは本当に迷いますよね
僕にも転職経験がありますが、仕事を変えるのは人生に関わる大きな決断。勢いだけでは決断しにくいものです。
そこで、辞めない方がいい会社と、辞めた方がいい会社を見分ける判断基準を整理しました。会社を辞めて転職したい悩んでいる方は一度立ち止まって考える材料にしてください。
さまざまな基準の中から自分なりに辞めたい理由と照らし合わせて考える。こうすることで思考が整理され、よりよい判断につながるはずです。
辞めることになるにしても、勢いだけじゃなくしっかり考えて納得した結果なら自信を持って転職できますよね。
辞めない方がいい会社と辞めた方がいい会社の判断基準
辞めたいと考えているけど本当に辞めていいものか。
後で後悔しないように辞めない方がいい会社と辞めた方がいい会社の分かれ目となるポイントを整理しました。立ち止まってチェックしてみてください。
1 仕事内容が自分に合っているか
今の仕事が自分に合っているか、合っていないか考えることは大切です。なぜなら性に合わない仕事を続けるのはストレスになるからです。
- 初対面の人と話すと動悸が激しくなるほど人見知りなのに、飛び込み営業ばかりやっている
- 数字や計算が得意じゃないのに経理や財務の仕事についている
- 体を動かす仕事が好きなのに1日中デスクワーク
- 現場で働きたいのに管理職を任された
仕事は好きか嫌いかより、自分の性分に合っているかどうかが大事です。
仕事の中身が自分に合わないと感じている場合、部署が変われば自分に合った仕事ができるかどうかも辞めるか辞めないかの判断基準になりますよね。
厚生労働省が2015年に行った労働者アンケート(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/h26-02_itakuchousa00.pdf)で出産や育児で離職した女性が再就職先を決めるときに重視していることを聞いたところ、「仕事の内容が希望に合っていること」が66.7%で最多でした。
子育てに忙しい中でも、「残業がない、もしくは少ないこと」の51.3%を大きく上回ったのです。
自分に合った仕事かどうかがいかに大切か分かる結果です
2 給与水準は妥当か
あなたは今の給与水準に満足しているでしょうか。
仕事が自分に合っていないと感じても、好きではない職種でも、給与水準が希望を上回っていたら続けられるかもしれませんよね。
ネットを使ったある調査では、「正社員の約84%が給与に不満があり、5割強が50,000円以上の給与アップを希望」しているとのデータもあります。
※PRTIMESより=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000077217.html
辞めるかどうか迷った場合、転職サイトなどで希望する業界の給与水準と比べて自分の会社がどの水準かを確認しましょう。今の給与と照らし合わせて納得いくかどうかも重要な判断基準になりますよね。
3 給料が上がっているか下がっているか
辞めるか辞めないかを考えるとき、社員全体の給料が上昇傾向にあるのか、下降傾向なのかは重要です。
仕事が合わないと思って会社を辞めたくなっても、徐々に給料水準が上がり、仕事にも慣れるにつれて効率が上がってくる。このような状況になれば理想的ですよね。
厚生労働省の毎月勤労統計によると、物価変動の影響を除いた働く人の購買力を示す実質賃金指数は、2021年で98.6でした。※2015年を100と基準にした値
この結果からわかるのは、働く人の収入アップが物の値段が上がる速度に追い付いていないことです。
もしあなたの会社の賃金水準が上がっているとしたら、割合としては少ない部類に入ります。
4 残業に対する会社のスタンス
労働基準法では、1日の労働時間は8時間、1週間では40時間と決められています。
その法定労働時間を超えて働かせる場合は、労使で協定を結び(36協定といいます)、労働基準監督署長に届け出る必要があるのです。
つまり、残業をさせるのはあくまで例外扱いだと会社側がきちんと理解しているかは大切な点ですよね。
もちろん、繁忙期には残業は発生するでしょう。でも普段から当たり前のように長時間の残業を強いる会社は危険です。
5 サービス残業をさせる会社か
36協定で残業(時間外労働)が合法的に可能になったとしても、もちろん上限が設けられています。
月45時間・年間360時間
ただし臨時特別の事情がある場合は以下のようになります
・年720時間以内
・月100時間未満(休日労働を含む)
・月平均80時間以内 ※休日労働を含む。2か⽉平均、3か⽉平均、4か⽉平均、5か⽉平均、6か⽉平均が全て80時間以内となっていること
このように定められている上、残業をした人には通常の賃金に25%上乗せした割増賃金を支払う必要があります。
割増賃金を支払わないサービス残業は違法です。
サービス残業を当たり前と考えていたり、黙認しているようなケースも、会社に残るか去るかの大きなポイントになりますね。
6 有給休暇を取りやすいか
社員の権利である有給休暇を取りやすいか取りにくいかは、その会社が社員のことをしっかり考えているかどうかの大切なポイントです。
東京海上日動リスクコンサルティングが公表した令和2年度の「『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査報告書」(https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category4/20210423_1.pdf)によると、有給休暇の取得に「ためらいを感じる」と答えた割合は13.3%、「ややためらいを感じる」は39.4%となり、合わせて5割を超えています。
ためらいを感じる理由は、「みんなに迷惑がかかると感じる」が最多の66.8%、「後で多忙になる」からが48.8%、「職場の雰囲気で取得しづらい」が24.6%と続きました。
周りに気を遣って休みにくいと感じる職場はまだまだ多い。会社全体の雰囲気づくりが大切ですよね。
7 離職率が低いか高いか
離職率は、ある期間で離職した人の数を1月1日時点の常用労働者数で割った値です。厚生労働省の令和3年上半期雇用動向調査によると、上位の業界は以下のようになっていました。
1 宿泊業・飲食サービス業 15.6%
2 教育・学習支援 12.4%
3 生活関連サービス業・娯楽業 11.0%
ちなみに、離職率が低いのは以下の通りです。
1金融業・保険業 4.3%
2複合サービス業 4.7%
3建設業 5.0%
3情報通信業 5.0%
離職率が高い業界でも低い業界でも、会社によって割合は異なります。自分の会社が業界と比べてどの程度の離職率になっているか把握すると判断材料のひとつになりますね。
辞めていく人が多い職場はモチベーションの低下が目立ち、業務に支障が出るてくるものです。
8 人手不足かどうか
あなたの職場が人手不足の状態かどうかも、辞めるか辞めないかのポイントになります。
人手不足が常態化しているなら、仕事が増え、残業時間が膨らみ、疲労が蓄積されているかもしれません。
欠員が一時的な状態で、近いうちに人員が充される予定ならなんとかがんばれても、補充がないまま放置されるようではモチベーションの維持は難しくなります。
IT業界の技術者など成長産業の人手不足なら給与アップで還元されるかもしれません。しかし、業績が下降する業界で人気がないため人手不足になっているなら、厳しい状況が続く可能性があります。
9 休職者が少ないか多いか
うつ病や不安障害など、メンタルの不調を原因にした休職者が多い職場は要注意です。
家庭やプライベートが要因となっている場合は別として、上司や同僚、職場環境に原因があれば、周囲に波及する危険性があります。
近年はうつ病などで休む人もまったく珍しくなくなりました。厚生労働省の労働安全衛生調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/list46-50_an-ji.html)の令和2年版によると、令和元年 11 月1日~令和2年 10 月 31 日までの間にメンタルヘルスの不調で1か月以上の休業者や退職者がいた事業所の割合は 9.2%に上っています。
どこの職場でも心を病んで長期休養をせざるを得ない人は一定数いるはずです。僕の知っている人でも複数いますが、いずれも仕事に真摯に向き合うなまじめな性格の人です。
そうした人が力を発揮できない、あるいはしにくい職場にしているのは会社や管理職の責任も大きいですよね。
10 パワハラやセクハラが横行しているかどうか
パワハラやセクハラはすでに社会的に排除すべきものだという認識が広がっています。
それにもかかわらず、いまだに社内で行為がまかり通っているようなら、見きりをつけてもいいかもしれません。
厚生労働省が公表した令和2年度の「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000783140.pdf)によると、過去 3 年間にパワハラなどの迷惑行為を受けた割合は以下のようになりました。
パワハラ 31.4%
セクハラ 10.2%
顧客等からの著しい迷惑行為 15.0%
パワハラの場合、「精神的な攻撃」(49.4%)の割合が最も高く、「過大な要求」(33.3%)が続きました。
パワハラやセクハラ行為を行うのは、たいてい上司や評価が高い人など立場が上の人物です。そのような人を評価する組織の見る目が疑われます。
11 人間関係が良いか悪いか
辞めた方がいいのか、辞めない方がいいのか。自分自身がどうしたいか決められない場合は、職場を見渡してみましょう。
同僚に心が許せる人がいるか。困っていると助けてくれる人はいるか。
逆に、心を開ける人がだれもいなかったり、困っていても助けてくれる人がいなかったりすると、果たしてその職場にい続ける理由があるのか疑問は深まりそうです。
12 将来なりたい尊敬できる先輩はいるか
あなたは職場を見渡したとき、「将来あのようになりたい」という先輩がいるでしょうか。目標となる人物が会社にいるかどうかで、仕事に対する意識が変わることは多いですよね。
会社で働く人の誰もが自分自身の具体的な夢や理想をもっているとは限りません。むしろそうじゃない人の方が多いかもしれません。
そういうときに憧れる先輩や、仕事振りが参考になる上司がいたら、辞めたくなるよう辛いことがあっても励みになりますよね。
13 同僚にやる気があるかないか
職場で一緒に働く同僚は、仕事に対する意欲を持っていますか。
適当に考えておけばいいよ
忙しいから頼むね
その仕事は面倒だから後回し
このように同僚が投げやりだったり、仕事に非協力的だったりすると、しわ寄せはあなたや、人の良い同僚に偏ります。
そういう空気はまん延し、職場全体の雰囲気を落ち込ませるかもしれません。
14 若い社員の割合は
あなたの職場にいる20代や30代の若手や中堅の割合も辞めた方がいい職場かどうかのポイントになります。
若い世代が多い方が当然職場に活気が出ます。年配の人も若手がいると指導などで張り切っちゃいますよね。
でも今は40、50代の割合が高まっています。社会の平均年齢が上がっているので当然です。僕の職場ではたった3年程度で職場の平均年齢が5歳ほど上がりました。
若手もいた職場の平均年齢が上がりだしたら、活力が失われる兆候です。
15 役員に若手がいるかいないか
東京商工リサーチが2020年末に行った調査では、日本の社長の平均年齢は62.49歳でした。前年の調査から0.33歳伸びたとのことです。参考URL=https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210804_02.html
調査をはじめた2009年以降、社長の高齢化が進んでいるといいます。
同社によると減収した企業の社長は60代も70代以上も5割近くを占めています。つまり、社長の高齢化と業績悪化の関連性は高いのです。東京商工リサーチは「長期的なビジョンを描けず、設備投資や経営改善の遅れが横たわる」と指摘しています。
少子高齢化で経営者の年齢が上がるのは当然の流れではありますが、役員に若手も招いて新陳代謝を図る意識が求められます。
16 評価制度が明確か
働きぶりに応じて適切に評価した上で、給与に反映させようという意識が高い会社ほど社員を大事にしており、結果、良い人材が集まってきます。
評価制度があいまいな会社は、社員のことを大切にしていない可能性が高いものね。
人の評価には上司の主観、好き嫌いがどうしても反映されがちです。出世は役員に気に入られるかどうか次第。このようなことが行われている組織だと、出世するほど上役の顔色をうかがうようになり、閉塞感が漂います。
17 成長性があるかないか
辞めようか辞めないか迷ったら、その業界や会社が将来伸びていくのかどうかも基準に考えてみましょう。
成長性がある業界の場合、今の労働環境悪化は一時的である可能性があります。業績が上がれば普通の会社であれば給与も上がるでしょう。
人手不足だとしても、成長事業が軌道に乗ると人が自然に集まります。そのときに先にその業界にいたことによる先行者のメリットが生まれますよね。
一方で成長性に乏しい会社の場合は、労働環境悪化の改善は望みにくいでしょう。衰退産業から成長産業に人が流れていくため、人手不足に陥り、若者より中高年の割合が高くなる可能性もあります。
18 やりがいがあるかないか
いろいろ見てきましたが、最終的には、その仕事が好きかどうか、やりがいがあるかどうかが一番大事なポイントですよね。
労働時間が長くても、給料が少ないと感じても、それを上回るやりがいがあるのなら、そこで働くのが合理的だと考えられるからです。
やりたくない仕事で高い給料をもらって不満を抱えて働くのか。やりたい仕事で低い給料をもらって笑顔で働くのか。もちろん、家族を養わなければならないとか、自分の持っているスキル次第とか、いろいろな事情はありますが、笑顔でいられるなら、その方がいいですよね。
一番いいのは笑顔で働き、たくさん収入を得ることですよね
働く人がやりがいを持っていることをいいことに、経営者が不当に低賃金労働や長時間労働を強いることは注意が必要です。
転職して後悔したことランキング
辞めない方がいい会社と辞めた方がいい会社の判断基準を整理したところで、転職した人がどういう点後悔しているのかをみたいと思います。
経営コンサルティングや社員向け研修を行う株式会社識学が2022年1月に行った「中途採用に関する調査」(https://souken.shikigaku.jp/21017/)では、回答した300人のうち転職で後悔した経験が「ある」との回答が58.7%に上りました。
そして、後悔した経験が「ある」と答えた人と「どちらともいえない」(15.3%)と回答した人に後悔したと感じたことを聞くと、主に以下のような結果になりました。
転職して後悔したこと
1 組織の風土・文化が合わない 48.2%
2 思ったより給与が低い 46.8%
3 上司との人間関係 35.6%
4 思ったより残業が多い 30.2%
5 やりたい仕事ができない 26.6%
6 思ったより成長機会がない 21.2%
7 評価方法に不満がある 20.3%
8 同僚との人間関係 18.9%
9 思ったよりノルマが厳しい 14.0%
10 部下との人間関係 7.2%
1位の「組織の風土・文化が合わない」は、50代で6割近い57.1%が回答しています。
前職を辞めたい思ったり、辞めざるをえなくなったりして転職に踏み切ったのに、長く属した組織と異なる文化になじむことが難しい実態を表わしています。
逆に言えば、若くて今の会社の文化に染まっていない、あるいは若くなくても今の会社の文化が合わないと感じている人なら、転職後も後悔する可能性は抑えられるかもしれませんね。
辞めたい理由を整理して転職活動を
辞めない方がいい会社と、辞めた方がいい会社を判断するポイントを確認した上で、転職して後悔するのはどのようなことかを見てきました。
最後にあなたが転職をしたい本当の理由を考えてみましょう。
仕事内容が自分の適性と合わない
給料が低い
給料水準が下がり続けている
残業が多すぎる
残業代がもらえない
…………
辞めたいという理由を改めて整理することで、転職活動の背中を押す原動力になるとともに、次の仕事を選ぶ目が養われます。
僕が前職を辞めたのは、残業が多すぎて自分の時間が持てなくなり、心を失いそうだからでした。とにかく辞めるという強い意思があり、迷うことなく転職活動を進められました。
転職活動をする場合、あなたの経験やスキルにあった企業を専門のアドバイザーが一緒に探してくれる転職エージェントを利用すると効率的。登録も利用も原則無料が大半です。
約2万社もあるとされる転職エージェントにも、それぞれ特徴があります。自分の考えに沿ったエージェントを活用しましょう。
辞めない方がいい会社:まとめ
転職したいという考えは、とても嫌なことや辛いことがあったときに衝動的に頭に浮かびます。僕自身も毎日のきつい仕事や残業が続いたときに頭に浮かび、実行に移しました。
ただ、衝動に任せて退職するのはリスクがあります。転職後に後悔したことがあると感じる人が6割近くに上ることにも表れているからです。
まずは辞めるべきかどうか判断する基準はどのようなものがあるのかを確認しましょう。その上で、自分自身はなぜ転職したいのか整理します。
これらを整理した方が、転職活動を行うときにスムーズに動けます。転職を成功させて理想の生活を目指しましょう。