同僚がどんどん辞めていって辛い
人手が足りなくて忙しすぎる
この職場にいつづけても大丈夫なのか
このような悩みを解決します。
近年、人手不足の深刻化が指摘されています。
根本的な原因は少子高齢化で労働者数が減っているため。ただ、それでも業界間あるいは業界内でも人手不足に差があります。
人手不足の度合いに差がある場合、それは会社側の採用戦略のあまさや、業界あるいは企業の将来性に対する魅力がうすいからです。
帝国データバンクが2022年1月に行った調査(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220212.pdf)
では、正社員が「不足」していると答えた企業は 47.8%とほぼ半数に上りました。「適正」は42.0%、「過剰」は10.3%です。
そして「不足」しているとの回答を業種別みると、「情報サービス」が65.7%、「飲食店」が65.1%、「建設」が62.6%などと、60%を超える業種も多いのが現状です。
特に情報サービスではIT人材の不足が深刻になりつつあります
人手不足は会社の責任。現場で働くあなたたちの責任ではありません。でも仕事量の増加、士気や業績の低下による賃金減少などの形で、しわ寄せがくるのは現場の社員なのが現実です。
この記事では、人手不足で職場にどのような影響が出るのか、そんなときにとるべき方法や辞めるべきか悩んだときの対処法を紹介します。
がまんし続けるか、職場を改善するか、転職などで職場を変えるかー。
記事を読むことで、人手不足に苦しむ現状を理解し、あらたな取り組みをはじめるきっかけになります。ぜひ参考にしてください。
人手不足の状態に本当に耐えられなくなる前に、転職サイトや転職エージェントに登録しておくことをおすすめします。転職サイトなら自分の好きなタイミングで求人企業を探せるし、転職エージェントなら専門のアドバイザーが希望や適正に沿った企業を紹介してくれます。しかも登録も利用も無料が大半。ガマンの限界に達する前に情報収集を始めるのが、自分を疲れさせないためのコツです!
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人手不足の社会的要因3つ
はじめに日本全体で人手不足が問題となっている原因3つを確認します。どれも長期的にみて解決方向に向かうものではないのが厳しい現実。はたらく人が不足する状況は全体としては恒常的なものとなる見込みです。
人口減少
日本の人口は減少の一途をたどっています。総務省統計局ホームページ内の人口・世帯(https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm)によると、1995年に8,700万人を超えていた15~64歳の生産年齢人口は2020年に7,300万人にまで減っています。25年の間に1,400万人も減った計算です。
同じ期間、0〜14歳は2,000万人から1,500万人に減っていることから今後も減少がつづくのは確実で、2035年の生産年齢人口は6,500人程度になると予想されているのです。15年でさらに800万人減る見込みです。
だれもが仕事をしやすい環境整備を進める働き方改革が浸透しています。このため働く高齢者や女性が増えていくのは間違いありません。しかし人口そのものが減少していく中、人手が足りない職場が続出するのは明らかです。
人材獲得競争の激化
働く人が少なくなる中で、業種間、企業間の人材獲得競争がはげしくなっています。
1人の求職者に何件の有効求人があるかを示す有効求人倍率は、2014年6月に1.01となってから常に1倍を上回り、2022年6月は1.19倍を記録しています。
1990年代のバブル崩壊後、多くの期間で1倍を下回る状態でした。つまり働きたくても仕事がない状態。
現状いかに人手が求められているかが分かるデータの推移です
求人よりも仕事を求める人が少なくなっているということはつまり、企業間の人材獲得競争が激しくなっていることを意味します。
成長産業だと賃金を引き上げて人材を確保しようとしますが、衰退している業界では賃金で魅力を訴えにくいため延々と人手不足が続く恐れもあります。
雇用のミスマッチ
求人する企業と仕事を求める人の需要が合わない状態を「雇用のミスマッチ」といいます。
働きたいのに希望にあう仕事がない
自分のスキルにあう求人がない
こうした理由で職につけない人があふれるとなかなか人手不足が解消しません。
総務省の労働力調査によると2021年平均の失業者213万人のうち「希望する種類・内容の仕事がない」と答えた人は65万人に上っています。前年より2万人増え、3年前に比べると18万人の増加となりました。
雇用のミスマッチが常態化すると、ある企業・業界では人手が足りない状態が続くのに、別の企業・業界では人材が余っている状態が続く不均衡が生じます。
IT企業など情報サービスや、建設など人手が不足している業界はあるのに、経験やスキルがある人材がいないため不足状態を解消できない。
あるいは人手はほしくて経験やスキルは問わないと言っているのに、賃金の低さなどから希望してくる人が少ないという状況です。
職場の人手不足は会社の責任
人口減少や人材獲得競争、そして雇用のミスマッチの影響で人手不足が進んでいます。
そして人手不足は業種や企業で差があります。あるいは同じ社内でも部署によって人手に余裕がある職場と余裕がない職場に分かれているのが実情です。
労働政策研究・研修機構が2019年に公表した「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」(https://www.jil.go.jp/press/documents/20190918.pdf)によると、従業員が不足している企業で人手が不足している理由(複数回答)は、以下のような結果でした。
人手が不足している理由
「新規の人材獲得が困難になっている」 64.4%
「従業員の自発的な離職の増加」35.2%
「景気の回復に伴う事業の拡大(事業所の新設や受注・販売量の増加等)」28.2%
この結果から、特定の企業や職場で人手不足に差が生まれる理由は大きく以下の3つが考えられます。
採用力が弱くて社員を確保できない
職場に魅力がなくて退職者が後を絶たない
成長過程で確保が追いついていない
それぞれ解説します。
採用力が弱くて社員を確保できない
職場で人手不足となっている第一の理由は、社員を確保できていないからです。新卒採用にしろ中途採用にしろ採用力は人手不足の解消を大きく左右しますよね。
- 十分な人件費を確保できず競合他社より賃金が劣る
- 現場の負担増加を理解しておらず採用に本腰が入っていない
- 会社の魅力を伝えられない
いろんな理由がありますが、これらは現場の責任ではなく会社の責任です。
同じ会社でも、職場トップに政治力がなかったり、人事部に部署間のバランスを図る調整力がなかったりすると、人手に余裕がある部署とない部署で格差が生じます。
職場に魅力がなくて退職者が後を絶たない
会社や職場に魅力がなければ退職する人は続出します。
求人数業界トップ水準の転職エージェントdoda(デューダ)が2022年3月に公表した調査(複数回答可)では、転職理由の上位は以下のような結果でした。
上位にある給与の低さや、昇進・キャリアアップが望めない点、会社の評価方法に対する不満など、一定の努力をしたあとは会社の考え方のまかせるしかない理由が多くですよね。
社内の雰囲気や業界の先行き、尊敬できる上司がいるかどうかなど、自分の力ではなかなか変えられない理由も多くなっています。
6位にやっと「スキルアップしたい」が入っているくらいで、ほかはすべて職場の魅力のなさが原因です。
現場で懸命に働く社員にはどうしようもないことが多すぎます
成長過程で確保が追いついていない
会社の業績が右肩上がりで事業規模拡大に採用が追いつかないため、人手不足が続く状態もあります。
これまでの2つと方向性が異なり、会社としては良い状態です。
もちろんこの場合も成長速度を予測しきれなかった会社に責任があるという面はありますが、通常だと賃金は上がり、それにつれて採用も増えてくることが期待できるます。
この場合はいっときのがまんかもしれません
業績不振でリストラを余儀なくされる
以上の3つに加えて、人手不足が会社の責任と考えられる理由は、リストラです。
売り上げや利益が低迷してきたため、人員削減を余儀なくされるケースも多くなっています。
これは実際に僕が働く会社でも起きています。業績不振で出先の社員を減らしたり、出産や介護などで休職する社員がいるのに補充がなかったり。
業績低迷に対する有効な対策を打てなかった経営陣の落ち度が現場負担の増加という形でやってくる典型といえます。
会社に責任があるけど人手不足のしわ寄せは社員へ
以上のように人手不足の責任は基本的に会社側であって社員にはありません。それでも実際には弊害は社員もこうむります。
残された社員の仕事が増える
退職や休職などで働く人が減ってくると残された社員の負担が増えます。
人が減った分、仕事も減るなら問題ないですが、そのような会社は少ないですよね。
残った社員の担当分野が増えたり、売り上げ目標がかさ上げされたり、雑務を分担したりなどでこれまでやってきた仕事以上の業務が押し付けられることになります。
若い社員の不在で活気がない
若い社員を採用できない職場は活気に欠ける場合があります。
新入社員が着任することで、若手社員は先輩としての意識を高め、中堅社員も模範となるべく前向きに取り組むでしょう。
教えることが好きなベテラン社員も意欲を燃やすかもしれません。平均年齢が上がり切った職場よりも若い社員が多い職場の方が前向きになれますよね。
人手不足倒産で失業する恐れ
人手不足は単に忙しくなるだけではありません。倒産によって職を失う恐れもあります。
退職や採用難などで労働力が足りなくなるため事業継続が不可能になるのが人手不足倒産。帝国データバンクによると近年の人材難で、2019年度の人手不足倒産は194件と過去最多を記録しました。
新型コロナウイルス流行下でも経済活動が続いて景気が上向いてくると、人材獲得競争がさらに激化し、企業によっては黒字なのに働き手の不足で事業継続を断念するケースが増えることが予想されています。
残る正社員が辞めづらくなる
社員が減っていくと仕事量が増えてきつくなるのが残される社員ですが、数が減れば減るほど退職しにくくなる可能性があります。
「これ以上やめられると業務に深刻な支障が出る」
このように考える会社側から引き止め工作を受けるかもしれません。
自分が辞めることで残る同僚に迷惑がかかるという心理もブレーキをかけるかもしれないですね。
売り上げが減り賃金も減少へ
社員が少なすぎて人手不足で倒産となる。そこまで至らなくても、収益を上げる機会を逃すことで、売り上げ減少→利益減少→賃金減少というマイナスの影響を受ける可能性が高くなります。
忙しいうえに給料まで減ったりすると、さらに退職者が増えかねません。負のスパイラルが続く恐れもあります。
職場の雰囲気が悪化する懸念
人手不足の状態が放置されると、職場の雰囲気は悪化する可能性があります。
一人当たりの仕事が増えて給料も減る場合は当然ですよね。
転職理由の上位にくるのはほぼ会社に対する不満です。職場関係がぎすぎすしてくれば、もはやその職場にいる理由がなくなると考える人が出てもおかしくありません。
人手不足で残された社員の取る道3つ
人手が足りない職場に残された社員の取る道は以下の3つが考えられます。
- 耐えながらがんばる
- 魅力ある職場に変える
- 転職や異動で環境を変える
それぞれ解説します。
耐えながらがんばる
人手不足の状態になって仕事が増えても残った人でカバーするべく、がまんして働く。
多くの人がこの状態で耐えていることと思います。
中小企業基盤整備機構が2017年に公表した「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」によると、人手不足への対応をどのように行っているかという質問に対する企業の回答上位(複数回答)は以下の通りです。
人手不足に対する中小企業の対応
従業員の多能工化・兼任化 75.6%
業務の一部を外注化 39.3%
残業を増加 35.0%
業務プロセス改善・工夫 33.5%
賃金、処遇など採用条件の改善 27.5%
従業員の多能工化・兼任化とはつまり、1人の社員にいろんなことをさせているということ。これが大半を占めることからも、現場社員のがんばりで人手不足をしのいでいる実態がうかがえます。
2番目の外注化をはさんで、残業増加も3割を超えているのも問題です。
魅力がある職場に変える
人手不足の状態で仕事が忙しくなり、職場の雰囲気が悪くなる。すると退職者が増えてまた忙しくなってくる……。
このような悪循環をふせぐため、社員自ら職場環境を変える手もあります。
- 仕事のやり方を見直して効率を上げる
- 会社幹部や人事に増員を直訴する
- 賃金アップを求める
たとえば以上のような方法がすぐに考えられます。新入社員が入りたい・退職者が出ない職場に向けて現場から動くのです。
とはいえ職場全体の同意や上司の協力がない限り、効果を上げるハードルは高い。
自分のがんばりだけでなく、周囲の受け止め方も見ながら進める必要がありますよね。
転職や異動を検討する
会社の忙しさや将来性を悲観して転職を検討する人は少なくありません。
社内の雰囲気の悪さや、肉体的あるいは精神的なつらさ、業界や会社の先行き不安といった項目が、転職理由の上位にあげられることからも分かります。
辞めたら残るひとが困るのでは
裏切者扱いされるかもしれない
人手不足の職場を支える人たちはこのように責任感が強かったり、周囲の反応に気をつかう人が多い。だから職場が持ちこたえているという面はあるでしょう。
しかし、残業が増えたり、休日が減ったりすることで影響を受けるのはあなた自身や家族です。自分の適性を生かせる仕事に就くため、収入アップを目指すためといった前向きな転職理由を重視してみてください。
転職まで至らなくても、会社内の異動希望がかなう可能性があるなら別の部署で再出発するのもいいですよね。
転職を検討する場合、転職サイトと転職エージェントの2種類を活用する方法があります。
転職サイトは豊富な求人の中から自分のタイミングで企業を探せるサービス。最大手のリクナビNEXT(ネクスト)は条件の合う企業からスカウトが来ることもありますし、無料の自己分析ツールで自分の強みの把握にも役立ちます。
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人手不足となった会社を辞めるには
責任感の強い人が人手不足の会社を退職する場合、上司からの引き止めにあうかもしれません。
しかし転職を決意したからには残るのは得策ではない可能性があります。一度やめる意思を示すと、いずれやめるかもしれないという目でみられ、昇進や仕事に影響を及ぼすかもしれないからです。
スムーズに退職するためにもっとも分かりやすいのは、転職先の採用が決まってから退職を申し出ること。あなたの人生なのに、職場が忙しいからという理由で引き止められるのはおかしいですものね。
タイミングも大切です。
会社にとって年に数回の繁忙期に辞めたり、人事異動が決まってから辞めたりするのは社会人としてのマナーが問われる場合があります。
あなたの体調や家族の事情、転職先に特に問題がなければ、互いにとって良いタイミングを探る方が無難です。
円滑な退職で気持ちよい再スタートを切るのがベスト。場合によっては退職代行サービスの活用なども検討してもいいですね。