経理の仕事に興味があるけど、どんな人が向いてるの?
仕事が楽しくないかも。もしかして経理向いてないのかな?
希望してないけど経理に配属された。そもそもどんな仕事なの?
こうした疑問に答えます!
かつて経理業務に携わった僕が感じたのは、経理の仕事はただの事務屋さんのイメージとは違うということ。
僕自身もともと経理と言えば、経費の清算や伝票処理を地道にこなす、いわゆる地味な印象をもっていました。
ただ、実際に携わると、財務や税務、そして経営者の思考まで理解できる会社の要とも言えるポジションだということが分かります。
中央省庁でも予算編成の権限を担い絶大な力を持つのが財務省(旧大蔵省)。お金にまつわる業務を行う部署は存在感が大きいのです。
この記事では、経理の仕事内容を紹介するとともに、向いている人、向いていない人の特徴も解説していきます。
記事を読んで経理の仕事が好きになったり、理解を深めたりする人が増えるとうれしいです。
【経理の仕事内容を紹介】経理業務の特徴は
経理の仕事内容は、毎日の日常業務、月次決算に伴う業務、年度末の決算業務の3種類に分けられます。
日常業務
交通費や出張旅費、会議費や交際費など、日々の経費精算は経理業務でイメージしやすいですよね。
社員から上がってきた伝票処理が日常業務のメインという経理担当者も多いでしょう。
また費用面とは逆で、売り上げを日常的に計上することも、月次決算に向けて大事な仕事です。販売部門が起票した売上伝票を会計システムに取り込んでいきます。
このほか、現預金の入出金管理も重要な業務です。
会計や税務のルール変更にアンテナをはっておくことも大切ですね
月次業務
月次で重要な業務のひとつは給与の支払いです。
1990年代ころまでは現金で給与やボーナスを支給していた企業が多かったのでマンパワーは今よりかかりましたが、銀行振込が主体の現在も、重要性は変わりないですね。
売り上げてから未回収となっている売掛金の管理や回収、逆に仕入れ先への代金支払いなども行います。
年度末の本決算に向けては月単位で数字をしっかりまとめる必要があります。
月末の集計作業はたいへん重要です
年度末の決算業務
決算作業は経理のメインイベントです。
最終的には、会社の資産や負債などの残高をまとめる貸借対照表と、売り上げなどの収入と経費などの支出をまとめる損益計算書を作成しながら、税金額や配当額を確定するのが目的となります。
この貸借対照表と損益計算書といった財務諸表をとりまとめ、株主総会で承認を得て一区切りになります。
決算月とその翌月は残業もかなり発生するはず。1年で最も忙しいときです
経理で行うこれら決算作業では、日々の仕訳の結果である帳簿上の残高と実際の現金や在庫が合っているかを確認します。
また、損益面では、交際費など税金を計算する上で経費として利益から差し引ける数字がどれほど含まれているのかなどを、あらためて確認していきます。
支出や収入面の集計では、決算期の年度に含めるのか、翌年度の決算に含めるのか仕分けをする必要もあります。
【経理の仕事内容を紹介】やりがいは
会社の全体像を把握できる
経理の仕事は単なる事務作業にとどまりません。会社全体のお金の流れを把握する立場として、会社の全部署の動きや全体像をつかめる立場になれるのです。
会社の全体像を把握できているからこそ、その気になれば経営陣に経費削減や業務効率化などの提案もできますね。
Yahoo!知恵袋には、経理でやりがいを感じる瞬間を尋ねた質問に対し、以下のような回答がありました。
「経営トップから意見を求められて述べた意見が、お役に立った様子が垣間見えたときかな。」
Yahoo!知恵袋
経営者の思考を学べる
お金の流れを通じて会社の全体像を把握するのは経営者の仕事です。そして経理部員もお金の全体像を把握できる。つまり、経理は経営者的な視点にたって会社経営の一端に携わることができる立場になります。
大企業の経理部員だと、お金の動きはごく一部の勘定科目でしか見られない可能性はありますが、管理職になれば全体像が把握できます。
中小企業の経理担当の場合、経営者に近い立場として経営マインドを学ぶ貴重な機会も多くなります
社内人脈ができる
売り上げにしても、経費にしても、収入や支出の原因や背景の把握は不可欠。つまり、経理業務は必然的に社内各部署との接点が多くなる部署です。
机に座って黙々と事務作業をこなすイメージが定着していますが、実際にはデスクワークに加えて他部署の責任者や担当者と伝票や予算についてのやり取りが多く発生します。
ここを面倒と感じるか、社内人脈を築く機会と感じるか。人によって受け取り方は変わると思いますが、他部署とのかかわりが多ければ多いほど、社内事情、会社全体の経営状況の把握がしやすくなりますよね。
【経理の仕事内容を紹介】必要な資格・スキルは
簿記の力
経理に携わるなら、会社の経営状況を表わす財務諸表の知識は不可欠です。そして関連資格では「日商簿記」が知られています。入社時点で必ずしも必要とされる資格ではありませんが、日商簿記合格していると入社試験でアピールポイントになります。
レベルは1~3級が基本。それぞれ取得するレベルの目安を日本商工会議所の専用サイト(https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping)から抜粋します。
1級
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。 合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。2級
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。3級
日本商工会議所の専用サイトより
業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
以上から、経理の仕事を希望する場合、まずは2級取得を検討するのがおすすめです。受験料は4,720円。日商簿記2級の合格率は2割前後とされています。4、5割程度の3級より難易度は上がりますが、有益な資格であるだけに教材が整備されているので自分にあった勉強方法を選択できます。
勉強時間の目安としては、3級レベルの知識があるなら300時間前後とされています。たとえば平日2時間、土日に5時間勉強時間を確保できるとすれば、週20時間、月に80時間前後ですので、4カ月前後要することになりますね。予備校などを利用すればさらに短縮できます。
パソコンのスキル
経理業務はシステム化されている職場が多くなっています。エクセルを使った表計算など最低限のパソコン操作スキルは必要です。
エクセルの場合は、四則演算ができる、「SUM」など簡単な関数が使える、簡単な表を作成できる、こういった初歩的な作業ができればそれほど困ることはないです。
会計ソフトは各企業で異なるので入社後に学ぶことになります
コミュニケーション力
経理の仕事は机に向かって黙々と事務作業をこなすだけではありません。
他部署から回ってきた経費について疑問があれば問い合わせたり、修正を求めたりといった社内調整は不可欠です。会社によっては売上金の回収を担うこともあります。
社内外で円滑に調整を行えるコミュニケーション力が必要となります。
【経理の仕事内容を紹介】向いている人の性格を解説
経理業務の内容ややりがい、必要なスキルなどの情報を踏まえて、向いている人の特徴を解説していきます。
数字が好き
経費や売上高、資産や負債……。経理は数字を扱う仕事です。
数字を見るとじんましんが出るという数字嫌いの人よりは、数字を見たり、分析したりすることが好きな人の方が向いていますよね。
経理の仕事は帳簿とリアルの数字を照合する作業であるともいえます。現預金や在庫など帳簿と実際の数字が合致するとき嬉しさはなかなかですよ。
論理的思考が好き
経理の仕事は会計基準に基づいて行われます。会計基準の目的は、利益を確定して納税の義務を果たし、株主への配当を決めるためのものですよね。それぞれバラバラの基準でやっていたら社会の安定が失われてしまいます。
外部に支払ったお金なのに、損金として利益から差し引けない経費があるのはなぜなのか。3月に売り上げがたつことが分かっているのに、4月以降の計上に先延ばしする売り上げがあるのはなぜなのか。
これらは利益や税金に大きく影響するものですよね。会計基準ひとつひとつの意味を論理的に考える思考力があると、仕事も覚えやすくなります。
勉強が好き
会計基準は社会環境や国際的な流れなどを受けてさまざま変化します。税制も毎年見直されますよね。
経理や財務で一度得た知識は徐々に古くなっていくものです。
常に学ぶ姿勢が必要なため、勉強を続けることが苦にならないタイプが望ましいです。
【経理の仕事内容を紹介】向いていない人の性格を解説
基本的には向いている人の逆になります。数字が苦手な人、論理的思考が嫌いな人、勉強はできればやりたいくない人にはあまりおすすめできません。
僕の経験では、これらのほか、以下のような人も向いていないと思います。
外勤したい
これは僕がそうでした。
経理は基本的には内勤です。営業など外向きの仕事がしたい人だと長く続けるのは難しいかもしれません。
細かな仕事が苦手
経理の仕事は数字の細かなチェックが常に必要です。もしそうしたきめ細かな作業が面倒と感じると継続は難しくなってきますよね。
【経理の仕事内容を紹介】まとめ
経理の仕事は、簿記はもちろん、会計の細かなルールを学び続ける必要があります。パソコン操作など最低限のビジネススキルも必要です。
一方で、伝票処理を黙々とこなすだけの一般的なイメージと異なり、経営の中枢に近いやりがいのある仕事でもあります。経理や財務に配属されることが役員になるルートのひとつになっている企業も多いです。
作業が細かく分業制になっている大企業より、部署や社員が多くない中小企業ほど重要性が増すでしょう。それだけ経営者との距離も近くなり、責任とともにやりがいも増すかもしれませんね。
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