デジタルの普及に新型コロナウイルス禍があいまって、日本でテレワークが一気に普及しました。でも実際にはテレワークがそぐわない仕事や、テレワークが可能でも会社が出社を促す場合もあります。
テレワークできる人って羨ましいなあ
在宅勤務は最高と聞くけど実際どうなの
この記事では、こんな思いを持つ方に向けてテレワークのメリットとデメリットを解説します。
実際にぼくも新型コロナ禍初期はほぼ強制的にテレワークとなり、在宅ワークを経験しました。
やってみるとテレワークには「メリットしかない」とまで思いました
この記事ではリモートで働けるメリットとデメリットを解説し、向いている人と向いていない人の特徴も紹介します。記事を読むことでテレワーク可能な仕事につく素晴らしさがわかりますので、ぜひ参考にしてください。
- 「通勤で疲弊しない」「好きな場所で働ける」などテレワークにはメリットが多い
- 「運動不足になる」「生活リズムが崩れる」といったデメリットもある
- 自己管理が得意な人ならテレワークはメリットが上回る
実際にどんな仕事でテレワークができるのか気になる人は、転職サイトや転職エージェントで確認してみると手っ取り早く探せます。
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テレワーク導入率は5割超
テレワークを導入する企業は2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を機に急激に増えました。
東京都が行っている「テレワーク実施率調査結果」によると、2020年3月に24%だったテレワーク実施率は一時60%を超えました。その後、感染状況の落ち着きとともに減少しましたが、2022年12月でも50%を上回っています。
当初は対面接触を避けることを国や行政から促され、ほぼ強制的に導入された格好でしたが、実施してみるとそのメリットとデメリットが上回り定着させる企業が増えたのです。
テレワークを実施していることが就職する際に重視する項目の1つともなっています。
転職エージェント大手「doda(デューダ)」が実施した「リモートワーク・テレワーク企業への転職に関する調査」では、転職を検討するときにテレワークを実施しているかどうかが「応募意向に影響する」と答えた割合が55.7%に上っています。
企業側も働く側も、場所にとらわれずに働くメリットを重要視しています
テレワークや在宅勤務のメリット
ここではテレワークや在宅勤務のメリットを9つ紹介します。会社のオフィス以外で働くことのメリットは、時間、金銭、健康などの観点からありがたいものばかりです。
通勤で疲弊しない
通勤で疲弊しないことはテレワーク最大のメリットといっても過言ではないでしょう。
国土交通省が2021年にまとめた「鉄道利用者アンケート調査結果」によると、通勤ラッシュとなる朝の6時半から9時までの間、東京圏で電車の混雑率は120~140%ほどになります。
混雑率が120%を超えると乗客の78%が「不快である」と感じるというのです。通勤ラッシュにもまれる人の大半は朝から「不快だ」と感じながら出勤し、夜まで働くことになります。
朝のストレスがなくなることで1日を快適に過ごせますね
帰宅ラッシュに遭遇しないのも大きいです。東京では日常的に電車が止まったり、遅れます。仕事に疲れて家路を急ごうにも、ひとたび不通となる時間に重なると、帰宅が遅れて代替便が激混みするなど辛い目に遭います。
こうした通勤によるストレスがゼロになるのは大きなメリットですよね。
好きな場所で働ける
テレワークのメリットには、好きな場所で仕事ができることもあります。テレワークを取り入れることで、働き手は、自宅にいながら、あるいはコーヒーショップやコワーキングスペースにいながら働くことが可能です。
快適な環境で働くことで、生産性向上が期待できます。
work(ワーク)とvacation(バケーション)を合わせたワーケーションという言葉があるように、休暇先で働く環境に憧れている人は多いのではないでしょうか。
転勤に伴う単身赴任を避けられることも、テレワークのすばらしい効果です。
NTTが2022年7月に導入した新制度では、勤務地から片道2時間以内の居住としていた条件をなくし、交通費の上限も撤廃されました。遠隔地に異動になっても必ずしも引っ越して単身赴任となる必要がなくなったのです。
こうした取り組みはまだ先進的に限られますが、どんどん広がってほしいものですよね
作業に集中ができる
作業に集中できることもテレワークや在宅勤務を行うメリットになります。前項の「好きな場所で働ける」ということは、自分が集中しやすい落ち着ける環境で働けることを意味します。
職場に出勤していると、どうしてもほかの仕事のことや、業務に直接関係ないこと、プライベートの話題など、作業を中断する割合が高まりますよね。
気分転換にはいいかもしれませんが、多すぎると残業につながります
集中力が持続する時間は人によって異なりますが、たとえば1時間は集中力を保てるという人がいても、その間に2、3人に話しかけられるだけでも作業効率は激しく落ちます。
自由な時間が増える
テレワークをしていると自分で自由に使える時間が増えます。大きな理由の1つは通勤時間がないためです。
総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、平日の通勤・通学時間の平均は1時間19分でした。神奈川県が1時間 40分で最も長く、千葉県と東京都が1時間35分で続きます。
1日24時間のうち、睡眠を6~7時間、仕事の時間が8時間とすると、起きている時間は9~10時間です。
10時間のうち1時間かせげるのは大きいです
1時間あれば、趣味やリラックスする時間に充てたり、副業時間を増やしたりなど時間を有効に使えます。
ほかにも、職場から離れて1人で作業をすることで、雑談をする時間が減ったり、集中力が増えたりすることで時間を生み出せます。
飲み会に誘われず夜の時間が奪われることもなくなるのも大きいですよね。
外食代を節約できる
テレワークを活用して自宅で仕事をする場合、ランチ代が浮くのも大きいものがあります。
株式会社UOCCが運営する女性向けメディア「Spicomi」の調査では、ランチ代の平均は女性が584.1円、男性が561.8円で全体では575.8円となっています。
平均を安く感じる人が多いかもしれません。家賃が高い街の中心部の飲食店だと1,000円を普通に超えてくることも多いです。月に1万円は軽く超えてきますから、自宅にあるもので済ませられる在宅勤務の家計へのメリットは節約効果が大きいですよね。
夜も飲み会に誘われて断るのが申し訳ないとか、断れないといった理由で外食に付き合うことも多いでしょう。こうなると1回で数千円も財布からなくなります。
節約を心がけている人には手痛い出費です
睡眠時間を増やせる
睡眠時間をしっかり確保するのは、良い仕事をするために絶対に欠かせないことです。
在宅勤務をすることによって通勤時間がなくなるため、リモートで仕事ができる人は睡眠時間を増やせる可能性があります。作業環境や時間を自分で調整できるほか、ストレスも減るため、質の良さも期待できるでしょう。
良質な睡眠は身体や心の健康に欠かせません
肉体的な健康だけでなく、十分な睡眠をとることでストレスや不安が軽減され、心身ともにバランスを整えられます。
自由な服装を選べる
テレワークでは自由な服装でいられることも大きなメリットになります。
オフィスに出勤する場合はスーツを着てネクタイを締めるなど、他人の目が気になります。
社外の人と会うことが多い仕事だとなおさらですよね
テレワークの場合は極端な話、オンラインで打ち合わせや商談をする場面だけ相手に不快感を与えない服装であれば足りるのです。個人の自由で服装を選べるのは気持ちが楽になります。
会議が効率的になる
リモートで行う会議と対面で行う会議、どちらが効率的かといえば、それはリモートです。リモート会議は参加者がいつでもどこからでも参加できるという利点があり、時間と費用の節約につながります。
一方、対面会議では、雰囲気を読みながら進行できたり、その場にいる少数ですぐに打ち合わせができたりするなど、より深い話し合いができるでしょう。
ただ、リアルの対面会議だと、参加する意味が薄い人が呼ばれたり、存在感が大きい人ばかりが発言したりすることで、生産性が高いとは必ずしも言えない場合もあります。
会議を開くのが会議の目的だったりする場合もありますよね……
人を集めて会議を開きたいと考えるのは、立場が上の人が多いものです。現場で働く人の作業時間を奪う長時間会議や、ただ情報共有するための会議は不要ですよね。開くなら、リモート・対面問わず、テーマと参加者を絞った生産性が高い会議が必要です。
対面のストレスが減る
テレワークを取り入れることで人と直接会う機会が大幅に減ります。人と接することをストレスと感じている人なら、このメリットはとても大きいです。
リアルで人に会うのがそこまで辛くないという人でも、苦手な人と会わなくてすむようになることで、心の負担が軽くなる効果が期待できます。
ストレスの大半は対人関係です
周りの目を気にせず仕事に取り組める効果もあり、生産性向上も見込めるでしょう。
テレワークや在宅勤務のデメリット
テレワークや在宅勤務にはメリットが多いですが、デメリットにも注意する必要があります。健康面や精神面、作業効率などどれも意識しておかないといけない9つを並べました。
運動不足になる
オフィスに出勤しないことによる特にわかりやすいデメリットは、運動不足になることです。
ぼくは毎日、最寄り駅まで15分以上歩きます。往復で40分ほど。さらに、出勤すると階段を使ったり、ランチを食べに行ったりしてすぐに1日1万歩に到達します。
テレワークや在宅勤務で通勤の電車やバスなどでの移動手段がなくなると、1日中座っていることが増えますよね。
座り過ぎを知らせてくれるスマートウィッチにいつも注意されます
このような生活リズムになると、運動不足に陥りがちです。
テレワークが中心だと、ジョギングやウォーキングなど、適度な運動を毎日取り入れることが重要になります。自宅で作業をするときは、定期的に立ち上がってストレッチをするなど、1日のリズムを整えましょう。
オンオフ分けにくい
テレワークや在宅勤務のデメリットの1つに、オンとオフが分けにくい点も挙げられます。
自宅と職場が同じ場所であるケースだとなおさら仕事とプライベートの区別がつきにくくなり、長時間作業することが多くなりがちです。オフィス内での雑談や移動時間がないため、休憩が少なくなる傾向もあります。
自己管理を上手にできる人でなければ、働きすぎになる注意が必要です。
- 始業時間と終業時間を自分で決める
- 仕事とプライベートの場所を分ける
- ストレッチや散歩で気分転換する
- ランチやカフェに出かける
こうしたことを意識することで、オンとオフの区別がつかなくなるリスクを回避できます。
時間を持てあます
人によっては、浮いた時間を持てあますことが、テレワークのデメリットになります。
在宅勤務をしていると、仕事に区切りついても必要がなければ外に出る必要がありません。時間をうまく使えずに退屈な時間ができてしまうことがあるでしょう。
- 空き時間にやるべきことを決めておく
- スマホを遠ざけておく
- 副業について学ぶ
仕事が終わりテレビやスマホを眺めながらだらだら過ごした後、「時間がもったいない」と後悔することになりかねません。テレワークをする場合には時間の使い方に工夫が必要です。
食事の用意が面倒
在宅でテレワークをしていると「食事の用意が面倒だ」と感じることがありえます。
ランチを用意するのを面倒に思い、抜いてしまうことになると健康や仕事効率に悪影響となりかねません。
休日のうちに簡単に調理できる食材や冷凍食品などを買っておいたり、夕食の残りを確保しておいたりするなどの対策も必要でしょう。
生活リズムが崩れる
通勤をしなくてよくなるテレワークで生活リズムが崩れる可能性があることにも注意が必要です。
通勤時間がなくなれば、自由な時間を確保できて睡眠時間も十分にとれます。しかし、毎朝決まった時間に起きて、決まった時間に寝ることは、通勤を強制されているからこそできるという面もあるのではないでしょうか。
通勤がなくなることで仕事とプライベートの境界線があいまいになり、生活リズムが乱れやすくなることに注意して、目覚まし時計を忘れずにかけたり、1日のルーティンをつくったりすることが重要です。
家族に気を遣う
家族に気を遣うことも、在宅勤務を行う上で課題の一つです。たとえば小さな子がいる家庭の場合、世話をしたり話相手になりながら仕事をすることは大変なことです。
顔を見るとこちらも一緒に遊びたくなってしまいます
小さな子どもがいない家でも、食事や入浴の時間を合わせたり、買い物を頼まれたりと気を遣うことは結構あるものです。
家族に気を遣うことがストレスになって、仕事に支障をきたしてはテレワークのメリットがなくなります。
コミュニケーションを大切にしてバランスを取りながら在宅勤務を続けたいところです。
孤独を感じてしまう
テレワークや在宅勤務をしていると、ひとりで黙々と作業する時間が多くなるため、孤独を感じるかもしれません。
たとえばオフィスで一緒に働いていた同僚とコミュニケーションを取りにくくなったり、社内の情報が入ってこなくなったりすることで、孤独を感じる人もいるでしょう。
必要に応じて電話やチャットで積極的にコミュニケーションを図ることは、仕事の効率を上げると同時にチームで働いている連帯感を得るためにも重要です。
意思疎通が不足する
テレワーク上では、意思疎通が不足するというデメリットもあります。オンラインでは、対面とは異なるコミュニケーションの壁が存在します。
メールやチャットでのやり取りでは、相手の表情やトーンが伝わらないため、誤解を招いてしまうことがあります。オンライン会議の円滑なやり取りは通信環境にも左右されるでしょう。
意思疎通が不足することで、仕事がスムーズに進まなかったり、ミスがあったりして不満が募ることもありえます。
社内事情に疎くなる
社内の情報に疎くなってしまうことをデメリットに感じることもあるでしょう。
リモートでの業務が増えると、社員間の情報共有がうまくいかなくなることもあります。雑談や相談が減り、プロジェクトの進行状況や問題点などの共有が不足するようになることもあります。
業務面以外でも、人間関係など社内事情に疎くなることもあります
「AさんとBさんが仕事を奪い合っている」「仲の良かったCさんとDさんがもめている」
こうしたうわさ話に関心がない人も多いですが、好きな人にとっては、雑談が減るテレワークは向いていない可能性がありますね。
テレワークや在宅勤務が向いている人
テレワークや在宅勤務にはさまざまなメリットとデメリットがあります。
個人の考え方や家庭の事情によって向いていると感じるか、向いていないと感じるかは人それぞれです。
ここでは、テレワークが向いていると感じる人の特徴を3つ紹介します。
自分で考えて動ける人
自分で考えて動ける人は、テレワークや在宅勤務に向いています。言い換えると自己管理能力が高く独立して業務を進めることができる人です。自ら業務の優先順位を決定し、生産性の高い環境を作り出すことができます。
自分で考えて動ける人は、問題解決能力も高いものです。正直言って、テレワークで仕事をさぼることは可能です。決められたことが終わったら何もすることがないという状況は出社していてもいなくても同じです。
やるべき業務が終わった後、さらに成果を伸ばすために動くか、あるいはスキルを高めるために副業に励むかなどで、将来が変わります。
決められた業務が終わった後が勝負ですね
孤独が苦ではない人
テレワークや在宅勤務で注意が必要なのは、周囲に人がいないことによる孤独感です。孤独が苦ではない人はテレワークに向いています。
業務に没頭できる人はむしろ1人で作業することによって集中力を高め、生産性の向上につなげることができます。
息抜きをしたいと考えたとき、周囲に同僚がいるオフィスなら雑談で気分転換できます。自宅やカフェで仕事をしているときでも、PCやスマホなどで気分転換をしてまた仕事に集中できる人なら、テレワークは非常に有効です。
小さな子がいない人
家族に小さな子がいない人もテレワークや在宅勤務に向いています。
すでに小中学のわが子が保育園や幼稚園入園前に戻ったとした場合、ぼくは果たして在宅勤務ができるだろうかと考えると、ちょっと自信がありません。
子どもの方から仕事しているところに来るでしょうし、ぼくもうれしくて相手をしたくなります
生産性が悪くなりすぎるのは容易に想像ができます。小さな子がいる人は自宅じゃなくてカフェやコワーキングスペースで作業するなど場所の工夫が必要です。
テレワークはやっぱり羨ましい
テレワークや在宅勤務におけるメリット・デメリット、向いている人の特徴について紹介しました。これらを知ることで、自分自身がテレワークに向いているかどうかを判断できます。
テレワークは、通勤時間の削減や自由な時間の増加といったメリットがある一方、孤独や運動不足などのデメリットも存在します。しかし、このような問題は、運動不足にならないようにストレッチを取り入れるなど自分で対策を立てることで克服できます。
僕にとっては家族との時間が増えるのが何よりうれしいメリットでした。
向いている人の特徴を知ることで、自分自身がテレワークに向いているかどうかを判断できます。
労働者側はテレワークを求めています。株式会社学情が行ったアンケートでは、企業にテレワーク制度があったら「利用したい」と回答した学生が83.0%に上りました。
これからの時代を担う世代が求めている以上、テレワークを含めた柔軟な働き方はさらに増えていくはずです。
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